EP:7 魔法とステータス
——さて、馬車に乗って、街に着くまでの間、青年と話して色々とわかったことがある。
どうやら俺は魔法が使えるようになってるらしい。ふざけてるのかと聞き返してみたところ青年が実際に手から炎を出したので言い返せなかった。
魔法はどうやら頭の中でこうしたい。ああしたい。だのと念じると使えるらしい。実際、俺もできて、物凄く焦ったのは言うまでもない。
そして、RPGでよく見るあれの存在である。そう、【ステータス】である。青年曰く、頭の中でステータスを見たいと念じると、自然と視界に映ってくるらしい。
初めは半信半疑でいたが、次の瞬間、俺は信じざるを得なくなった。
《ステータス》
ユウキ ヒイロ Lv.16
異世界転生者
LP:140
MP:40
筋力:450
耐久力:60
俊敏力:45
集中力:30
〜スキル〜
覚醒の兆し・・・固有
剣術・・・Sクラス
剛腕・・・Aクラス
白魔法・・・Eクラス
剣術魔法・・・Cクラス
炎魔法・・・Bクラス
鑑定魔法・・・Dクラス
気配察知・・・Cクラス
——そう、見えたのだ。…何てことだ。今世界の理がひっくり返った気がするぞ…神様もびっくりだぞ、オイ。
っというか異世界転生者ってどういうことだよ…いつの間に異世界に迷い込んだんだよ…いや、心当たりが無いこともないが。
っというか筋力高えな…だからさっきあんな巨体をも持ち上げられたのか。
然し、困った。異世界ということは今頃みんなは学校で俺のことを探しているだろう。無論、教師らも授業を中断して、俺を探しているだろう。そんな中、見つからなかったらどうなる?当然、ニュースになって取り上げられたりするだろう。そうなると、もし戻った時、面倒くさいことになる。
という事は、こうなった以上早々に帰る手段を探した方がいいことは一目瞭然だ。いっその事、俺という存在自体が元の世界で無くなっていてくれるとありがたいのだが。
そんなことを考えていると、太陽が夕焼けに染まりかけた頃、青年はキッと馬車を停めた。そこには、アニメやらラノベでよく見るような西洋風の町があった。
街路には石畳が敷かれ、白い壁に空けられた窓に置かれたプランターには、色とりどりの花が咲いている。
「…ほう、悪くない」
そんなことを呟きながら、俺は足早に街へ入っていった。
サブタイトル考えるのが難しい(白目)