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ケモミミ教師

親愛なる君へ


 おはようございます!


 出席番号36番、ヘリオス=ターレットです! 略称は侮辱的なので略さないでください! 得意科目は生物です! よろしくお願いします!


 驚いただろう? 私は今、とある学園に時折通っている。

 出席番号、などと書いては見たが、別に生徒として通っているわけではないので間違いのないようお願いする。


 先日のケモミミ庭師は突如どこぞの貴族に引き抜かれてうちを辞めてしまった。よっぽど好待遇だったのだろうか?私の嫁となればどこかに奉公するよりももっといい待遇になるはずなのだが、父からそういった話がでていなかったのだろう。

 いなくなってしまったものは仕方がない。


 話は変わるが、先日父の代理としてとある学園に赴いた際に、私は運命的な出会いを果たした。


 それが、その学園で特別講師として勤務していた彼女である。


 庭師と同じ種族の彼女は、特別講師として待遇されているほど優秀な頭脳の持ち主で、その授業内容も実に素晴らしいものであった。

 父の代理として学園の監査を行うために出向いたのだが、そんなものは彼女には必要なかった。


 流れるような黒髪にふさふさの栗毛の耳。尻尾も愛らしく、さらに頭も良くてつつしみもある、実に素晴らしい女性であった。肝心の授業内容は、生徒達からも人気が高いらしく、教室で立ち見が出るほどの人気であった。あるいは彼女の美貌もそれに拍車をかけているのかもしれないが。


 学園自体がハイレベルな位置にいることもあって、生徒もまた積極的に授業に参加し、それを彼女はこなしていく。

 教室の一番後ろで彼女の授業を聞きながら、私は思いを馳せた。


 流石に学園を作るのは私にも父上にも無理であるが、彼女を家庭教師として雇う事は可能だろう。

 しかし、うちには家庭教師を着けるような幼い子供も勉強盛りの学生といった年頃の人間はいない。


 そこで私は一計を思いついたのだ。彼女は語学も堪能らしいので、外国語や亜人語を覚えるために話足の家庭教師となってもらう、ということだ。

 今回の監査では彼女と話す時間は得られなかったが、いずれまた父の代理として出向く事もあるだろうからその時にお願いをしてもらうつもりだ。


 そして家庭教師として通う彼女はいつしか私と、生徒と教師という垣根を越えた禁断の愛に目覚め、愛のレッスンを送る日々を迎えるのだ。

 彼女が生む子はとても優秀に育つだろう。元々が優秀な遺伝子の上に、さらに彼女が実際に自分の子らに教師として教えを説くのだ。まさに鉄板といえる。


 そうと決まれば、外国語を習う理由を見つけなければなるまい。

 当面は父の代理というポストを活かして、彼女に近づいていこうと思う。


 あせりは禁物だ、何せ教師というのは聖職。むやみやたらと近づいてはいけない。だからこそ、家庭教師という手続きが必要になるのだ。


 これから忙しくなるのでしばらく手紙を送ることは出来ないと思うが、君も私の、いや私達の愛の授業を応援して欲しい。


 それでは、また


ヘリオス=ターレットより

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