八十八巻目後編 歴史を作る場所なのですよ
「歴史を作る場所?」
「そうです」
神様は俺の問いかけに対して、非常に神妙な顔をして答えてきた。
「こここそ、過去と未来と現在を結ぶための施設。時空局なのですよ」
・・・いままで、俺は神様のことを信用してきた。それは神様が俺を今まで導いてきたことに俺は喜びを覚えて幸せになったからだ。
だけれども、それは大きな間違いだったのかもしれない。俺はこの素敵な仏フェイスに騙されて、神様の行動に騙されて、すっかり彼のことを信じ切ってしまっていた。だけれどもこの人はどちらかというと、奴に近い人間なのかもしれない。それもうさんくささでいえば奴以上、ジョン以上だ。たしかに、俺は過去から来た人間だが、それはジョンが言ったからジョンがもっともらしいことを言ったから信じたのであって、いきなり「こここそ、過去と未来と現在を結ぶための施設。時空局なのですよ」といわれても、「こいつ頭大丈夫か?」と普通思うだろう。だから人っていうのはそういうことをいう時は大抵躊躇しながらも言うと思うんだ。だけれども、彼には躊躇は一切なく、まるで当たり前の事常識を披露するかのように俺に言ってきた。もし俺がよっぽどの馬鹿だったら、一瞬で「なるほど。時空局か!」と思ったり、彼を賛美し称えたたかもしれないが、さすがにそこまで俺はバカではない。一応はこれでも一般的な頭を持っていると思う。現代の社会のシステムにも適応できているし、あの時代でもそれ相応の知識を持っていたつもりだ。現代の人間が俺について色々と研究したり、推論を立てたりしているけれども自分ではしっかりと知識を持っていたと思うので、あまり「信長はバカだぜ!」とかは言わないでほしい。カッコイイとかはもっとたくさん言ってもいいけれどもね?
だけれども、どうすればいいかな? 俺的には今すぐにでも神様にツッコミを入れて「時空局ってなんだよ? 時間を超えるのか?」とかいってやりたいけれども、もしジョン的な性格の持ち主だったら面倒くさい説明をされて、もっと理解ができなくなってしまい、もっと良く分かんなくなってしまうかもしれない。それだけは避けなければならない。さもなければ、俺の頭と大切な休日が壊れてしまうからな。
「さぁ、行きましょうか。施設の内部に!」
「はい!」
とりあえず、あるバイトで覚えた大きな声で返事を返してみる。とりあえず頭の中を空っぽにして、何も考えずに神様に接しようと思う。そうしなければ、頭が・・・・・・今でも結構つらいのに・・・もうパンクしそうだ。




