表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
信長さん  作者: はいむまいむ
第三章 信長、秋葉原にハマる
93/358

八十五巻目 みきみき

「みきみき」


とつぜん犬が発したこの言葉は、一体どういう意味なのだろうか。“みきみき”もしこの言葉が、私の名前である美希を続けて二回呼んであだ名化したものだったら私はどう反応したほうがいいのだろうかな? 今まで唯一“みきみき”と私の事を呼んでいたのは凛ぐらいだった。もしかしたら、犬がいつも私が無視しているときに言っていたのかもしれないけれども、もちろん無視していたから私にとっては今突然“みきみき”と呼びだしたのかと思ったわけだ。まぁ、どうでもいいんだけれども。


「ねぇ? 聞いてる?」


やっぱり“みきみき”は私のことだったようだ。むしろ私のことじゃなかったら一体何だというのだろうかね? 美味しさを表現する言葉かな? もしくはくしゃみとか咳とかそんな感じの生理現象だろうか?


私は犬の問いかけに対して、「まぁ、聞いているっていったら聞いているのかな?」と曖昧な答えを返した。すると、犬は頬をぷくーっと膨らましてなんだか不満げな顔をして「もおー!」と牛のような鳴き声をした。


犬から牛に変わってしまったのかと思うと、ちょっとばかり可笑しいと思ったけれども、そこらへんをずっと考え続けていても何も生まれないことに気づき、私は犬か牛かどっちか分からない生物に対してアクションを起こしてみた。

そのアクションとは、一度咳ばらいをした後「なにか話があるの?」と聞く単純なアクションだ。


すると、犬が急にしおらしくなり、呼吸も落ち着き静かになった。ちょっと怖いな。


そして、頬をポリポリとしながら「変なことを聞くんだけどさ・・・」と少しためながら私に聞いてくる。重要なことを話していないので、私はとっさに「変なこと?」とすぐに言い返した。


すると犬は、机の上に置いてあった水を(私の水)一気飲みして、ふぅ・・・と息をもらして再度呼吸を整えてこう言ってきた。


「本当に変なことだけど、私は変人じゃないからね!」

「分かったわよ!」


全く、何だこの会話は?


今度は犬がしっかりとした深呼吸をして今度こそ重要な話をするのだった。


この話は、私にとって思いもしないような話だった。なぜなら、何の脈絡もなくそのこと言ってきたもんだからもう、なんかすごいよね。



落ち着いた声のトーンで犬は話をする。

「ねぇ・・・美希。もしかして、過去から来た人なの?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ