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信長さん  作者: はいむまいむ
第三章 信長、秋葉原にハマる
79/358

七十三巻目 どこか遠くへ行きたいと思うようになったんだ

※※※※


・・・やってしまった。今日が休日だったからよかったけれども、仕事の日だったらちょっとやばかったかもしれない。まさか、俺がビール三本で泥酔してしまうとは思ってもなかったよ。

今、ぱっと目覚めたら朝の八時。次の日の八時だった。いつ寝たかも覚えてないし、二日酔いという事もあってとてつもなく、不快な目覚めだ。最悪だ、吐きそうだ・・・。

転がったビール缶を見ながら、自分が本当に気を失うほどビールを飲んでしまったのかと再確認をしてこれからはしっかりと考えながらビールを飲むようにしようと決心をした。


何時間も座っていた場所から立ち上がり、とりあえず酔いを覚まそうとして台所へ向かった。台所の横に置いてある、食器棚から透明のプラスティックで出来たコップを取りだし、台所の蛇口をひねりコップに水を注ぐ。


ゴクゴクゴクと、音を立てながら水を飲んでいく。いつも以上にすっきりとした味わいがして、体の隅から隅まで染みわたっていく感じがした。はぁ、水ってこんなにおいしいんだな。


ジョンがいないと、意外と不便なことがようやくここで分かった。食器を使っていないから、食器洗いとかはしなくてもいいんだが、こういった水を飲む時に奴がいないと、自分で取りに行くしかないんだ。奴がいるときだったら、運んできてもらえるから面倒じゃないんだよね。それに、奴がいないと生活リズムがものすごく狂ってしまうしまうんだ。食事の時間だって一定じゃないし、寝る時間だって一定じゃなくなってしまう。今日は休日だから、なおさら狂ってしまう。いつもの休日であれば、ジョンが垂れ流ししているアイドルのビデオを見たりしている。それが今日はないわけだから、一体何をして過ごせばいいのだろうかな・・・。


テレビのところへと戻り、缶を拾い集めて台所に持っていて缶を洗う。そして、それを逆さにして、缶の水気を取る。そして、もう一度テレビのところに戻って、座って、テレビをかけた。


テレビなんて、好き好んでみることはないからジョンがいるときはジョンが勝手にかけている番組を見るだけだ。だけれども、一人というのはしゃべり相手もいなくて非常にさみしいものなので、テレビをかけるしかないのだ。

どうでもいい話題を流し続けるテレビを聞き流しながら、俺はボーっと窓をのぞきながら、外の世界を見る。この時代に来た当初は、ここから見える景色がこの時代のすべてだったから、本当にワクワクしながら見た。だけれども最近は、この時代のいろいろなことをみたりしてきたから、本当にここから見える景色っていうのはこの時代の一部なんだなぁと、今再認識した。


こうなると、この部屋がとてつもなく狭く、閉ざされていることに気づいた。そして、どこか遠くへ行きたいと思うようになったんだ。


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