六十三巻目 彼女たちの生肌に着せたりするよ?
映画をみてまして、投稿が遅れてしまいました。
聞いてみるとするか、なぜ俺をさして生贄と呼ぶのかを。
「そりゃあ、生贄っぽい顔をしてるからねぇ~」
「ちょっ、凛さん・・・」
俺はまだなにも言葉を発してないのに、凛はジョンのように心を読んだ。
「じょんじょんと一緒にしないで! 私は読心術があるだけだから!」
「結局ジョンと一緒じゃないですか・・・」
この二人はとても仲がいいらしい。俺がいても尚、会話を続ける。凛がボケで美希が突っ込みといった具合だろう。決して俺が中に入ることはできないが、見ている分にはとても面白い。
ただ、今に関しては見ている分には面白いだけではいけないのだ。なぜ俺がここに連れてこられたのか、そしてあった瞬間に生贄と呼ばれたのかを聞きだす必要があるのだ。
一度深呼吸をして、心を静めた。その間にも彼女ら二人は世間話をしていた。・・・いや、世間話では無かったかもしれないが、まぁ何かしら話をしていることには違いがないだろう。
心を静めた後、少しだけ彼女らの話を聞いた。というか、聞き流した。
そして、彼女らの話がちょっと途切れた時、俺はようやく話を始めることができた。
「美希、どうして俺をここに連れてきたの?」
「ありりぃ~? 美希、この生贄に話をしてないの?」
「本当のことを言ったら、来るとは思えませんから・・・」
「そりゃそうやねぇ~!」
何を笑っているんだ、凛は。いったいどういうことだ。言ったら帰宅なくなる理由だって?
一体、俺はこれからどんなことをされてしまうんだろう。もしかしたら、何かやばい仕事をしなければいけないのか? いや、でも美希のバイト先っていってたし・・・う~ん・・・・・・。
「まぁ、安心したまえ生贄君」
「あっ、俺の名前生贄君で定着なんですね」
「そりゃそうよ! 生贄君、安心したまえよぉ~!」
「はい・・・」
「仕事はチケットを売ったり、ちぎったり、ステージを掃除したり、グッズを売ったり」
「はい」
「美希たちの衣装も彼女たちの生肌に着せたりするよ?」
「はい!?」
「いい仕事だとは思うんだけれどもなぁ・・・」
と、言いながら凛は俺のほうを見ている。そして、美希はあわあわとしていた。
美希の衣装を着させたりできるのか・・・生肌に・・・・・・。
素晴らしい仕事じゃないか? な、生肌とかじゃなくて、あの、その、仕事は全て素晴らしいものだ! 仕事って全て素晴らしいから・・・そういう風に言うしかないんだ!
うん、絶対にそうだ。きっとそうだね!
「で、生贄君、ここで働く気はあるの?」
凛がやさしく聞いてくる。
美希は「断ってください!」みたいな感じの意思表示をしているが・・・そんなことはどうでもいい!
「もちろん、やらさせていただきます! よろしくお願いします!!」
俺は大きな声で、そう叫んだ。その声は小さな部屋に大きく響いた。
明日か、明後日には第二章が終了して、第三章が始まります。
ようやくグダグダから解放されるので、うれしいです。




