表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
信長さん  作者: はいむまいむ
第二章 信長、人の下で働く
43/358

四十巻目 うぐぅう・・・

――――― 


短時間で俺は、様々なことを覚えることができた。文字の出し方、現代の文章の書き方、絵文字、ネットスラングなどなど・・・。

すまーとほんではなくて、スマートフォンという発音だということも、しっかりと学んだ。スマートフォンのことを勉強していたと思ったら、いつの間にかこの時代のことをすっかりと学んでしまった。

本当にいろいろなことを調べたさ。最初は、俺が調べたいと思っていた、現代の女(今ではしっかりと女性とよぶようにしてるさ)に贈る贈り物。その後は、俺のことを調べてみたり、俺が元々いた時代についても調べてみた。この時代では、俺がもともといた時代のことを戦国時代というらしい。名前だけ聞いてもおどろおどろしいものを感じるが、実際にそんな感じだった。この名前は、この時代にあっているといえる。あとは、本能寺のことが終わってからの俺の家臣たちの動きとか、誰が天下を取ったのかを調べたりした。

まさかとは思ったけれども、猿がとっていたとはねぇ・・・天下を猿がとるとはね・・・・・・・驚きだよ。みっつーは、落ち武者狩りにあって死んじゃったらしいね。まったく、俺を倒せたんだから、もう少し頑張ってくれればよかったのに・・・。

まったく、嫌になっちゃうね。知りたかったことを知ると、こんなにも、もやもやとした気持ちになるんだね。誰にぶつけたらいいのかわからない怒りとかは生まれない。だけれども、誰かに分かったほしいんだよね、俺が今思っているこの気持ちをさ。ジョンだけには教えたくないけれども。

ちょっとばかり、ジョンのほうを見てみる。すでに俺は、スマートフォンをジョンに返却して自分の気持ちの整理をしている。ジョンは、俺が返したスマートフォンの画面をずーっと見つめたまま、表情が固まったまま静止していた。


「どうしたんだ、ジョン?」

少し心配になったから、ジョンに聞いてみた。

それなのに、ジョンは言葉を返してこなかった。なぜだろうか。

「おい、ジョン? 大丈夫か?」

再度ジョンに問いかける。そうするとジョンは、「うぐぅう・・・」と声をもらした。


「なんだよ?」

疑問だ。謎すぎる声だ。

するとジョンはようやく重い口を開いた。

「・・・何をしてるんですかノブ」


ものすごく、ためてから言葉を発した。

「何してるって・・・何のことだよ?」

何のことなんだろうか。

するとジョンは、スマートフォンを滑り落として深呼吸をした。

「な、なんで深呼吸をする必要があるんだよ・・・」

もう、困惑する以外にできることがない。

ジョンは、なんというか絶望した顔、と言ったほうが一番いいような顔でこういってきた。


「どれだけ調べれば気が済むんですか! あなたのせいで、私もう、制限がかかって・・・動画が、もう、見れないじゃないですか・・・」


これを言った後、ジョンはちょっと泣いていた。

なぜ、泣いていたのかはよくわからなかったけれども、ジョンが悲しそうなのはちょっとだけ伝わった。なんだか、いけないないことをしたな。良く分からないけれども。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ