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信長さん  作者: はいむまいむ
第二章 信長、人の下で働く
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特別篇 ドキッ!?  美希のバレンタイン大作戦 前編

もうすぐ2月14日なので、特別篇を書こうと思います。

前、中、後編と続けていこうと思うので、よろしくお願いします。

勿論、本編もしっかりと書いていこうと思います。

すべての物事には始まりがある。というか、始まりがなければ物事というのは生まれないのだ。この作戦が開始されたのも、ある男の欲望から始まったのだった。


平成27年1月30日 

ライブが終わり、美希は帰宅の途につこうとしていた。いつも通りの道を通って、いつも通りの自分の生活をしている家へと向かおうとした。いつも一人で帰っているものだから、少し寂しいと思うときもあるが、最近は慣れてきた。

だけれども、今日はそのいつも通りという事ができなくなってしまったのだ。



「バレンタインデーというものを知っていますか、ミス美希」

「お前が私の名前を呼ぶなんて珍しいな」


ライブを実施している地下秘密基地アイカフェの社員通用口の入り口でジョンは待っていたのだ。安心してほしい、ジョンはこそこそと隠れながら待っていたわけではない。むしろ、通用口の警備員と軽い雑談をしながら待っていたのだ。これほど堂々と待てたのも、地下秘密基地アイカフェの従業員から信頼を勝ち得ているからなのだ。

そのかいあってジョンは美希を迎えることが出来、話を切り出すことができたのだった。

今回の物語はすべて、ここから始まったのだ。


「だから、あなたはバレンタインデーを知っていますかと聞いているのですよ。さっさと答えてください」

ジョンは非常に苛立った様子で聞いてくる。


「なんでそんなに苛立っているんだよ?」

美希もその苛立っている様子を見て、苛立ち始めてきた。

いつもならばここでジョンは一歩引いてちょっとだけ怯えた声で、改めて丁寧な口調で聞いてくるが、今回に限ってはジョンは一歩も引くことをしなかった。


「はやく教えてくださいよ」

すごーく、怖い。いつものジョンとはまた違った姿だ。


「・・・なんで今日に限ってそんなにイラついているんだよ」と、静かに美希は呟いた。

「なんですか!」 ジョンは、厳しく追及した。


「なんでもないよ! バレンタインデーなんて知らないわよ!!」

あんまりにもジョンがうざかったもので、強めに言い返した。しっかりと質問にも答えられているので、よしとしよう。悪いのは全部、全部ジョンだ。


美希が言い返したあと、通用口にはちょっとばかり変な雰囲気になった。


美希は「あっ、やっちまった・・・」と思ったらしく、口を手で覆っている。これは美希なりの驚きの表情だ。


「やはり、そうですか・・・」

うんうんと頷きながら、ジョンは美希を見つめる。


「な、なによ・・・」

ちょっとだけ美希は、照れてしまった。


「まぁ、あなたもノブと一緒の過去からやってきた人間ですからねぇ・・・といか、何年か生活しているのにまだ知らなかったんですね・・・・・・」

「悪かったわね!」


なんだか良く分からん会話がされていて、通用口付近の人たちは「こいつら、何についてはなしてるんだか、よう分らんな。ちょっと、ヤバイ奴等なのかもしれんな」と考えているのだった。その考えは半分当たっていた。素晴らしい洞察力だ。尊敬したい。


「とりあえず、いつものカフェに移動しましょう。話はそこでまたしましょう」

「うん」

とりあえず二人は、これ以上通用口の人達に迷惑をかけないようにカフェに移動するのだった。



―――― 



カフェに移動した二人は、いつも通りコーヒーとドーナッツを食べている。


「あなたもドーナッツをいける口になりましたか」

「うん。これでも、一応は現代の女子だからね」

「どの口が言うんですか、フフッ」

「殺すぞ?」

「すいません」


コーヒーを一杯飲みほした後、ジョンはついに話を再度切り出し始めたのだった。


「で、バレンタインデーなんですけれども・・・」


非常に思い面持で、ジョンは語りだしたのだった。


「・・・」 美希もまた、その語りをじっくりと聞くのだった。


「そもそも、バレンタインデーというのはローマ時代のキリスト教殉教者、つまりキリスト教のために2月14日に命を失ったウァレンチヌスの死を惜しむ宗教的行事でしたが、14世紀ごろから若い人達が愛の告白をその日にするようになりました。そして、この日本では昭和三十年代後半ごろからマスコミなどを通じてチョコレートを作る会社が「バレンタインデーはチョコを送ればええよ!」という広告を流して、このころから日本ではバレンタインデーといえばチョコレート、という感じになっていったのです。チョコレートを送る文化は女性の心をつかみ、女性はバレンタインデーにチョコレートを男性に送るという習慣も作り出したのです。女性が送るチョコレートには二種類あり、一般的に送られるのが義理チョコ。そしてもう一つが本命チョコというものです。通常では、友達、もしくは友達以上恋人未満の男性に送るのが義理チョコ。恋人以上に送るのが本命チョコとなっています。まぁ、男性からしたらチョコレートをもらうだけでもうれしいのですがね・・・」


長々と、ジョンは語った。語っている間は一回も目を閉じることをしなかった。怖いな。


「・・・で、何が言いたいわけ?」

語っている間、ドーナッツを黙々と食べていた美希はジョンが語り終わると同時に聞いている間に思った疑問を切り出した。


するとジョンは「フフフフっ」と笑った。


「なんで笑うのよ。気色悪いわよ」

引き気味で、震えながら美希は言った。確かに、気色の悪い笑い方だった。


「ようは、簡単ですよ」

ジョンはいつも通り、ニヤッとしながらこう言った。


「2月14日にチョコレートを下さい、ということです。好きなアイドルからもらうチョコレートはまた格別なものだと思いますから」


美希は即答した。

「嫌だ」 と。


中編は2月6日に、後編は2月14日に投稿したいと思います。

それでは!

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