第二百七十八巻目 面白れぇことを言う
お久しぶりです。
続きをようやく書きました。
こんなのを読まず、人生を楽しんでください。
ソファーに座っている奴らの人相というのは、とてもいいとは言い難く、俺に対して睨みを向けてくる。もちろん、いきなり知らないやつがやって来たのだから警戒するのは当然のことなのかもしれないが、それでももう少し好意的に受け入れてくれたとしてもいいとは思う。
「おい、そこの男」
ソファーに座っている一人の女が声を発した。言葉か察するに俺に向けられて発している言葉だろう。
「おめぇ、何者だ? ずいぶんと舐めた面構えしてんじゃねぇか」
おやおや、こっちは何も顔色も表情も変えてはいないのに、開口一番舐めた面構えをしているといわれてしまった。こうなってしまってはなんだか悲しくなってしまう。
「相田さん! そんなことは言ってはいけません! この方は第二の教祖様なのですよ!」
俺をここまで連れてきた女が、女に対して強く指摘をする。というか、第二の教祖って何なんだ?
「ほぉ……こいつがねぇ……。まぁ、私たちは教祖でも神様でも興味はないけど、新しいボスって言うんだったら……今の発言は撤回するよ」
おや、第二の教祖の次は新しいボスという単語が出てきてしまった。もうこうなると、頭の整理がついていかない。いや、すでについてきてはいないが、頑張っていたつもりだ。これからはもう頑張るつもりはない。
ただ、とりあえず聞かなければならないだろう。
「あのぉ……ちょっといいかな?」 とりあえず、声を発してみる。
「どうしましたか、第二の教祖よ」
「俺は何でここに連れてこられたの? それに、何で教祖って言われて、新しいボスって言われているの?」
俺がそう聞くと、連れてきた女も座っている女もその他大勢もきょとんとした顔をしだして、そのあと大きな笑い声が部屋中に響き渡った。
「おめぇ……おもしれぇこと言うじゃねぇか! 気に入った!」
どうやら、俺はこいつらに気に入られたようだ。なぜ、気に入られたかはわからないが、どうにもこうにも、歓迎されたことは歓迎すべきことだ。
「第二の教祖様ぁ……ぷぷ。面白いことを言わないでくださいよぉ!」
連れてきた女も変な笑い方で指摘してくる。
「いや、別に面白いことを言っているわけではないんだけれども。俺としては、至極まっとうな疑問で、正直この時代のこの町が何でこんな風になってしまっているのかも疑問で仕方ならないんだ」
俺が、こう聞くとさっきまで俺の謎のおもしろい回答により笑いに包まれ、非常に温まっていた部屋の空気が凍り付き、誰もが深刻な顔をしだした。
そして、その空気を割るように、座っていた女が立ち上がり、こちらへと近づき、俺の目の前に立った。女は筋肉があり、軍人のような体格の持ち主だ。
「お前、何言ってるんだ? 忘れちまったのか? 十年前のことを」
十年前に何があったというのだろう。
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