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信長さん  作者: はいむまいむ
第二章 信長、人の下で働く
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三十巻目 やっぱ、俺ってすごいんだな・・・

容器いっぱいの水を飲みほした後、「プハァッ!」と言ってみる。とくに理由はないけれども、この「プハァッ!」を言わずにおいてしまうとどこか飲んだ感じがしないんだ。

のど全体に水が広がっていき、乾きがなくなって潤っていく。あんなに汗をかいていたのに、もう汗が引いてすこし涼しい感じだ。気分も爽快で、とても晴れやかな気分だ。

さて、そろそろいいだろう。もう、余韻に浸ってもいいころあいだろう。


「そうですよノブ。私は、余韻に浸りつつもプラモデルを組み立てていますから」

「だから、勝手に心をのぞくなよ」


確かにジョンはプラモデルを組み立てている。だけども、さっきとは違って鼻歌を歌いながら、洋服も着替えて組み立てている。


「いやはや、あのライブDVDを見た後のプラモデルはまたおつなものですなぁ~」

にやにやしながら、紙やすりをかけているよ。楽しそうにかけているもんだから、俺もちょっとだけ楽しくなってしまいそうだよ。


「別に楽しんでもいいんですよ?」

「言われなくともわかってるよ」

まったく、だれだよこいつに心をのぞく力を与えたやつは・・・。

「さて、いったい誰なんでしょうね? 私が教えてほしいぐらいですよ」

本当にこいつは・・・・・・。



どのようにして俺は余韻を楽しむとしようかな・・・。う~む・・・・・・。

余韻を楽しむことを意識してしまうと、帰って余韻を楽しめなくなる。そういった事態に俺は生まれて初めておかれている。というか余韻を楽しむという行動自体初めてだったな。

なぜ初めてだったこと、今まで考えもしなかったことを今になってやろうと思ってきたのだろうか。そういえば、この時代に来てから不思議なことばかりだ。さっきも言った通り、戦っていたあの時代のときだったら考えもしなかったようなことを考えるようになってきた。どんな寝相をしてやろうかだとか、どんなものを食べようかだとか、どんなてれびを見てやろうかだとか、みきは今どうしているのだろうかだとか色々なことをだ。もちろん、現代の文化の影響を受けて考えるようになったこともあるけれども。それにしても色々とおかしな考えを持つようになったのは変わりない。自分で考えているくせして、「あれ、なんで俺こんなことを考えたんだろう」となって疑問を持つことさえある。

本当にそこだけは、いつか解明しておきたいところだ。


さて、話を本題に戻すと余韻をどう楽しむかになる。ジョンの余韻の楽しむ方はプラモデルを組み立てることだ。俺もプラモデルを持っていたら、組み立てながら鼻歌でも歌っているんだろうが、あいにく今はプラモデルを持ち合わせていない。

じゃあ、何をするか。 もし、ジョンの楽しみ方を直接真に受けるのであれば、プラモデルを組み立てる以外の発想は出てこないが、違う方向から解釈すれば、いつも通りの行動をとるというのが余韻をたのしめる、という考えが生まれるのではないだろうか?

その結論にたどり着いたとき、俺は「やっぱ、俺ってすごいんだな・・・」と心の中でつぶやいてしまった。良かったことに、ジョンはプラモデルのことで夢中で俺の心など読む気は、さらさらないようだ。もし、このつぶやいたことを知られでもしたら、面倒だからな。

いや、本当に良かったよ。


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