第二百五十六巻目B むずかちいはなし
先に言っておきますが当たり前ですがこの話はフィクションです
なので間違ったところをあえて加えています。
話の構成上仕方がないことです
あきらめてください
「……さて、そろそろ始めましょうか」
しょうとけぃきを食べ終え、ようやく家入は話を再開した。
「リーダー、ショートケーキはどうでしたか?」
「……美味ではあった」
まだ話は少し続いていた。
今度こそ話が再開した。
「計画の実行の話の続きからですよね?」
「多分」
「……計画の実行。というか、そもそも私たちの計画というのは当時アメリカや世界で大流行していたサブプライムローンという証券を利用したものです」
しょうけん、というものが何か分からない。これからの話は聞き流すことにする。
「当時はそのサブプライムローンっていうのが繰り返しになりますが流行してまして、どこの企業も釘付けでした。ですが、鈴木教授はですねこのサブプライムローンの欠陥性を見ぬいていまして、あることを考えたわけですよ」
「ほん」
「もし、このサブプライムローンの価値というものを経済の心理通りに動かすことが出来るのであればどのようになるのか……というものです」
「ほーん」
話がむずかちくなってきた。私が今の気持ちを無意識に表情で表現してしまったらしく、家入が「少々難しく言ってしまったようですね、申し訳ありません」と笑いながら言ってきた。
「かみ砕いて言いますと、・・・・・・例えば、この角砂糖が100円の価値だとしましょう。砂糖には他も種類があって黒糖とかそう言うものは少なくても2000円とかそうでしか販売されていません。もともと角砂糖は誰も見向きもしませんでしたが偉い人が『角砂糖は本当にすごいから!』と言って、角砂糖の利用価値をあげて、今まで砂糖がほしかったけれども高くて買えなかった人は偉い人が『すごい』と言っているから角砂糖をたくさん買うようになります。ですが、そのまま定価で販売してしまうと偉い人は面白くありません。そこで偉い人は考えて、角砂糖を2000個最初に渡して、角砂糖2000個を手に人達はゆっくりと返済していくという風に決めました。もちろんそれだけでは偉い人は全く儲からないので、偉い人は2000個渡した人に対しては110円で返済させることにしました。だけれどもいきなりたくさん返すことも出来ませんから、ゆっくりと返していいよという感じです」
「おん」
「これであれば、偉い人にも利益がたくさん入り、角砂糖がほしい人も短期間でたくさん角砂糖が手に入ります。角砂糖はもとは砂糖ですから様々なものに利用が出来ます。さらには砂糖が必要な人に角砂糖を渡すことで砂糖の消費の拡大にもつながります。そして砂糖がたくさん消費されると、砂糖を扱っている偉い人もうれしい訳なんですよ。理由は分かりませんがね」
「理由は分からないのか……」
「まぁ、偉い人の考えは他の砂糖を売っている人達にも広がり、世界は角砂糖を安く大量に貸し付けて返済の際に利益を上げることに注目を始めました」
話が突然長くなり、眠くなってくる。店員がたまにお茶のお代わりを持ってきてくれる。うれしいものだ。
「しかし、ここで思い出してほしいんですよリーダー」
「?」
突然話を振って売る奴だ。まぁ、聞き流しているから何も思い出すことはないんだがな。
「そもそも、この角砂糖を購入しているのは高いお金が払えない人たちです」
「おん」
「それなのに、なぜ角砂糖2000個の価格を支払うことが出来るのでしょうか? これは不可能な話です。これが鈴木教授の考えなんですよ」
「へー」
あぁるぐれぃは何度も飲んでいると美味しく感じてくるなぁ……。
「つまり、サブプライムローンはいつ崩壊してもおかしくないとてつもなく信用がなく、経済の合理性から考えれば矛盾している物だったんですよ」
「……」
「なので、私たちはそのサブプライムローンを崩壊させるために何人かの意識を電波を介して操作し、動かすことにしたのです。さすがにこのことを説明し始めると言葉だけでは足りなくなりますので説明省きますが、結果としてはサブプライムローンは崩壊し、リーマンショックという中々な事件を起こすことが出来たのです」
「……」
「私たちはその当時サブプライムローンが倒れると分かりきっていて、自分たちで行動も起こしていましたから、サブプライムローンをやっていないところやそういう風に儲かると思っているところに投資をして、サブプライムローン崩壊後は莫大な利益を得ることが出来、それを分配することにしたのです。あの時はお金もたくさん入って、研究も成功して、鈴木教授の意見も実証されて誰もが幸せでした」
「……?」 なぜ、いきなり過去形になったのだろうか?
「私たちは大きなミスをしていたんですよ。とてつもなく大きな・・・・・・」
家入は渋い顔を始める。




