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信長さん  作者: はいむまいむ
第六章 信長、消される
266/358

クリスマス特別編 聖なる夜に・・・・・・ 2

あと一話で簡潔です


風邪をひいてしまって……今信長さん書けない、小説書けないですぅ……

「無理はしなくていいからな?」

「無理などしておりませぬぞ……ただ、少し花畑が見えるだけで……」

「ここは東京、それも家の中でどうして花畑が見えるのだ?」

「そんなもの、私に言われても困りますよ……」


とりあえず水でも飲んで、気持ち悪さを抑えてこいと言っておく。そうすれば、よく分からない言動を言って俺を混乱させることもないと思ったからだ。


偽美希は俺の言った通りに水を飲み、それどころかシンクにおいてあった桶に水を張りそこに顔をつけはじめた。性格はおっさんくさいが、顔は美希その物なのだから、あまり過激な行動は慎んでほしいものだ。


「……」

「……」

「…………」

「…………?」

「…………………」

「おい! 顔を見ずに突っ込んだまま寝ちゃだめだ!」


全くどうなってしまうんだ。


――――



とりあえず偽美希を謎の危機から助け出した後、顔を拭いてやって、服を着替えるように促した。顔をつけて少し目覚めたのか、偽美希はてきぱきと動いてくれた。だけれども、そのてきぱきさの中には、いきなり片足で立ち始めるだとか、「あぁ……」だとか「うぅ……」だとかの奇声が混じっていた。だから、まだ覚醒はしていないのだろう。


ただ、さすがに目覚めてからかなり時間が立ち、出発時間としていた八時になると偽美希からも「信長様、おはようございます」としっかりとした言葉を聞くことが出来るようになった。


「信長様、本日はどちらへ向かわれるのですか?」

「今日は、秋葉原に行って来る」

「はて? 今日はアルバイトはないはずでは?」

「あぁ、休みだからこそ秋葉原に行ってくるのさ」

「なるほどぉ……なんと高尚なお考えでありましょうぞ……」

「高尚な考えって……」


とりあえず偽美希はいつものように俺を崇めてくる。理由はよく分からないけれども、されている方とすると何だかこそばゆいものだ。


「私もお供いたしますぞ!」とさっきも聞いたことを、再度しっかりとした声で言ってくれたので、「それじゃあ行こうか」ということで、秋葉原へと向かうことにした。


――― 


電気街口へたどり着くには、少し慣れが必要だ。新宿や東京みたくものすごく複雑な駅と言うわけじゃないけれども、初見の人にとってはもしかしたら新宿や東京以上に難しいかもしれない。

なので、慣れないものが先に歩き始めてしまうと


「信長様ぁ! いつもは車で着ているのでぇ……分かんなくなっちゃいましたぁ!!」

「大丈夫だ! だから、先に行かないでくれぇ!」


雨の日だからいつもより混雑をしている秋葉原駅と言うのに、秋葉原駅初心者の人間がホームから電気街口を目指すというのは、戦場を裸で駆け巡るよりも難しい。


偽美希の手を引き、何とか電気街口へとたどり着いた。目の前には雨宿りをしている人や、なぜだかはぁはぁと息を漏らしている変人、さらには柱につけられている電子広告の可愛い女の子を写真に撮っている人もいた。


「なんと言う、地獄絵図……」


偽美希は、いつもは車で来ているためこの人だかりをあまり見たことがない。いつも以上に人がいるとはいえ、確かにその言葉は的を得ているといえるだろう。慣れとは恐ろしいものだ。


ただ、いつまでも駅構内に居るというのはつまらないので、まず右側の出口から出てみる。いつもであれば目の前に設置されているエスカレーターを利用して中央通りへと抜けているのだが、いつも通りの秋葉原の過ごし方は今日はやめておく。


ということで地道に地上を歩いてMのマークのハンバーガー店にたどり着いて、まず今日の動きを決めることにしよう。


駅前には、雨にもかかわらずクリスマスツリーの写真を撮ろうと頑張っている人達が居た。なんとも、宗教的な光景だ。


「ただ、信長様ぁ……雨が傘で防げないほど強く降っておりまするぅ……」

「それはもうすでに知っている!」


こんな雨の日に傘をさしながら雨に打たれるというのも、何か宗教的なものに思えてきた。


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