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信長さん  作者: はいむまいむ
第六章 信長、消される
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クリスマス特別編 聖なる夜に・・・・・・ 1

本当であればイブとクリスマスの二日間で書きたかったのですが、遅くなってしまいました。

大丈夫です、心の中にクリスマスがある限り、毎日はクリスマスなのです!

朝五時になぜか起きてしまい、テレビをつけてみるとそこにはミニスカートを着て特別に早朝ライトアップをしている花畑の前で天気予報をしている天気予報士の姿があった。赤白で、頭に目をやってみるとこれまた赤白、洋服までもが赤白で統一していた。なんともめでたい色だけれども、どうやら日本の文化ではないようだ。


「みなさんメリークリスマス! いいクリスマスになりますように!」


天気予報の最後に、天気予報士はそんなことを言った。いいクリスマスとは何なのかは分からない。しかし、彼女の姿がどんなにかわいらしいか、そしてどんな男でも虜にしてしまう理由は理解ができた。


さすがにこの時代の文化にも慣れてきて、クリスマスという文化は知っている。我が国日本のクリスマスは欧州や米国とは違い、ちょっといやかなり変わっている。

他国ではキリスト教と言うナザレのイエスというキリストを信じる宗教が存在するので、その誕生を祝い厳粛にそして華やかに行われるのだが、日本では恋人同士などがいちゃつく文化があると聞いた。

無論俺には、恋人と呼べる存在がこの時代にいるわけもなくさらに言うと去年一緒に過ごしたジョンや美希もいない。さらに言うと今日はアルバイトも休みになってしまっている。

こうなってしまうと、何をすればいいか分からなくなり、しまいにはなぜクリスマスというものがあるのか分からなくなってしまう。


さらに言うと今日のクリスマス、天気がひどい。もし俺がしっかりといいクリスマスというものが分かったとしても、今日の天気ではそのいいクリスマスは出来ないと考えてしまうほどだ。

簡単に言うと、今日は大荒れの天気だ。


天気予報士が透明な傘をさしながらミニスカートを抑えながら、傘を強く持ちながらライトアップを紹介していた。

たまにニュース番組とかでもそう言った光景は見ることがあるが、なぜそんなことをするのか理解に苦しむ。それも、今日の日にそんなことをして誰が喜ぶのだろう。意図が全く分からない。もし、雨や風の強さを伝えたいのなら外に出ずスタジオや屋内で「危険だから出るな」と言った方が、よっぽど危険さが伝わると思う。予報士が外に出れるんだから、まだ安全だろうと外に出てしまう者が大勢いるはずだ。


さて、俺もその安全だろうと思っている一人なわけで、せっかくなので大雨のクリスマスの日にアルバイトでもないのに秋葉原に行こうとしている。もちろん、アルバイトじゃない日に秋葉原に行くのは初めてではない。何度もある。だけれども、いつも晴天に恵まれていておまけに平日だ。休日のクリスマスに出掛けるなんて考えもしなかった。だからこそ自分の想像力を超えたという記念で、秋葉原に出かけたいと思う。

どうせやることはいつもと変わらない。だけれども、雨と言うイレギュラーさに加えクリスマスと言うイベント効果もある。こんな日に行かない、行こうと考えなかった俺はものすごい大馬鹿者だ。


早速、俺は準備に取り掛かる。朝五時なんて言うことを忘れて一心不乱に着替えはじめ、狂乱し朝食を作った。思えば、朝食なんてものを作るなんて昔は考えもしなかったな。


鏡を見るといつ見てもかっこいい俺の顔。こればっかりは、いつの時代も変わらないものだ。優越感に浸り六時になっている事を気づく。もちろんまだやっている店なんてコンビニぐらいのものだから、秋葉原についたとしてもやることがない。

スマートフォンを起動させて、今日どこに行くか検討をしてみる。

今日の昼食はいつも行く牛丼屋ではなくて、チェーン店の霊長類マークのカレー屋に行こうとか、たまにはゲームセンターや一般向けのアニメグッズ店に行こうだとか考えてみたりする。一人だと、好きなように自由に行動できる。これほど素晴らしいものはない。


しかし、こんな日に一人か……。日の本の国の人間としては郷に従って恋人もしくは、誰かと二人で出かけたいものだ。……もちろん、そんなことは無理だとは分かっている。だけれども、どうも願ってしまうのが人間の心情というものだ。第六天魔王と呼ばれているおれでも、やはり人間ということだな。冷酷さの中にも人間らしい温かさがある。これほど人の心を実感するのもクリスマス効果といえるだろう。


すべての準備が整い、朝食を食べながらゆったりしてみる。すると、さすがに早すぎるという当たり前の感覚が現れて、自重し始める。そして最終的にたどり着いたのは、八時になったら出かけることにする、というなんとも当たり前の結論だった。


朝食を食べ終えたのが七時ちょうど。準備はさっきも言った通り大方終わっているから、ボーっとするしかほかない。ゲームでもしてれば暇つぶしになるんだろうけど、俺が持っているのは全部攻略済み。ソーシャルゲームっていう奴も一度はやったことはあるけれども、あれはゲームじゃない。あれは、作業だ。あんなものを面白がるのは調教された人間ぐらいだ。自由な正確な俺には似合わない。


『♪~ ♪~』

「?」


ボーっとしているときに、いきなりスマートフォンが鳴り出すと、少し怖い。だけれども、鳴り続ければ鳴り続けるほど、安心してくる。安心と言う表現はもしかしたら間違ているかもしれないけれども、どちらにしても一番最初に音楽が鳴った時よりかは怖くない。


スマートフォンを手に取り、何があったかを確認する。メールが一通届いていた。


メールの内容は鈴木さんからで、今度杉山さんと一杯やりに行こうというものだった。朝からなんで酒の話が出来るのかは分からないけれども、酒を飲むこと自体は別に構わないので、俺はその誘いを受けることにした。


誘いを受けた途端、一つの部屋で物音がした。それのおかげで俺はあることを思い出した。


「あぁ、そう言えば偽美希はいるんだったな」


そう、この家には俺以外にもう一人。偽美希と言う奴がいた。

昨日の夜は酒を浴びるように飲み、金曜日に録画した軍事映画を見ながらリビングで寝転がっている女。それが、偽美希だ。


「……うぅぷす。あぁ、……信長様ぁ、おはようごぜぇやすぅ」

「おはよう、偽美希。調子はどうだ?」

「……とても……とてもです」


どうやら、偽美希はとても体調が悪いらしい。ただ、俺は一度決めたことは実行するタイプの人間だ。


「俺は後で出かけてくるけれども、お前はどうする?」

「私は……信長様に……ついていきまするぅ……」


そんな白い顔で言われても、信用が出来ないぞ。


明日はクリスマス特別編と通常版を投稿します。

ケベロスも投稿出来たら投稿します

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