第二百十七巻目 後編 見知った人
次の話の題を間違って前回記入してました。
次回が、知らない間に当事者にです。
エレベーターが三階に着くと、当たり前だけれども俺たちは降りた。三階もさっきまでいた一階の雰囲気と似ていて、無機質な白色だった。百年前に来た時には、三階があることも知らなかったけれども、増築されたんだろうか?
「それでなんですが、織田信長様」
「信長でいいですよ」
「あっ! それでは、信長様一つだけ注意をしてもらいたいことがございまして……こちらをご覧ください」
そう言うと久保さんは、俺に紙を手渡してきた。
「詳しいことはその紙の方に書いてあります、私の方から少し口頭で説明させていただきます」 と、言ってなんか説明を始めてきた。
「この施設は信長様もご存知の通り中央化学研究株式会社の持ち物である、神田都央センターです。センター自体はもともとあった研究施設であったものを改修し増築したもので建物自体は最新のものではありませんが、設備は世界の中でもトップクラスのものを揃えています。なので、ここは日本政府より特別な認証を受けています。国立研究所や、大学以外で中心となって研究を行っているのはわが社だけです」
「そうなんですか」
「ただ、政府から依頼された研究を行っているため非常に厳重な警備態勢が敷かれていまして、信長様の場合ですとお客様、つまりは部外者という扱いになるのですがそのため、一度入室しましたら信長様だけでは退室が出来なくなってしまいます」
「!?」
「我々としましても、万全な体制と取っていますがもし一人だけで室内に残された場合は中にあります内線から管理室の方へと連絡をしてください。番号の方は紙の方に書いてありますのでそちらの方をご確認ください」
「はい……」
「あと、この施設はあらゆる災害に対して耐えられるように設計してありますのでご安心ください。一番注意すべきなのは、室内に取り残されることですから」
どうやら、久保さんなりのジョークを説明しながら話してくれた。面白い人だ。
「さて、私の案内はここで終わらせていただきます。こちらが三階セントラル会議室です」
そして、久保さんが扉を開き俺は「どうも」と一言言って中に入室した。
そして、「待っていたよ、信長君」と声を掛けてくれる人が中に居た。顔を確認してみると、そこに居たのは確かに見知った人だった。
明日は特別編を更新します




