第二百八巻目 後編 時空局
久しぶりの投稿です。
明日も更新します(今日)
研究は、初期のころは誰も見向きもせずただ単に新技術を使った、たとえ裏方であってもお役所のお遊びだと思われていた。ただ、研究が進んでいくと着実にその実験の正当性が証明されていき次第に信憑性がある研究と考えられるようになった。そしてその研究によって出た結果というのは表には出ずに、先述したとおりブラックノートにまとめられて当時は経済産業省を通してあるところへ届けられていた。
しかし、その研究がどんどんと進んでいくたびに研究者たちは経済産業所よりも強い権限を内閣より与えられ、ただの研究所は表には公表しない形で省庁化することになり、名を時空省とし、研究者はその省に作られた時空局に配属されることになった。
時空局では、今までの歴史を俗に言うタイムマシンを利用して調査する時空調査委員会、未来の出来事を予測する近未来予測委員会、別時空を形成し、If世界を作り上げそこのデータを集計する時空形成委員会の三つが存在し、それぞれの委員会が協力しながら時空局は成り立っている。
そしてそれぞれの委員会が出した成果は、時空省へ届けられブラックノートにまとめられてある場所へ届けられていた。研究者たちはそのある場所という場所を知らない。研究者にとっては、結果を届けられる場所というのは二の次なのだ。研究者にとっては、好きな研究ができることが一番だったのだ。
だからこそ、研究者はこの研究所のことを秘密にしてある場所も隠しながらブラックノートを手に入れることが出来たのだった。
そして、今ここに一人の青年が時空局に入局しようとしていた。
彼はアメリカ出身で、改正外国人在留法にのっとり今年から三年間国内での仕事をすることが許されている。そして、彼が三年か仕事をするのは彼が大学で研究をしていた時間の研究というものだった。
時空局は秋葉原にほど近い場所に作られている白い研究所に存在し、彼は今まさにそこへ到着したところだった。




