二十一巻 おっうと!
「とりあえず、カフェに行きましょう。まずは落ち着ける場所に移動するのが最優先ですし、何しろ暑いですからね」
「カ・・・フェ・・・・・・?」
女は、聞きなれない言葉を聞きポカーンとした表情をしている。
「あぁ、カフェというのはそうですね・・・あなたが利用したことがあるかどうかは分かりませんが、茶屋というものに近いかもしれませんね。ただ、あなたは今混乱に混乱を重ねて、大きな混乱を頭の中で巻き起こしていますから、私のこの声は届いていないかもしれませんね」
男の言った通り女には声が届いていなかった。
「本当は使いたくありませんでしたが、さすがの私もこの暑さには勝てません。早く涼しいところに行きたいので・・・」
男はそう言うと、手を空に掲げた。
「え~っと、麻酔銃をお願いしますね」
普通にまるで誰かにお願いをするようにいうと、空に銃が出現した。
「おっうと!」
銃は自然の法則を無視することなく、空中にとどまることなく落下した。男は、それを落とさないようにして銃を手に入れた。
「なぁ~に、痛いことはありませんよ。ただ、ちょっとだけ眠ってもらうだけですからね」
男は、笑みを浮かべ銃を女に向けた。
「えっ・・・えっ?」
女は、銃を向けられさらに混乱をした。
「では、カフェで会いましょう」
バンッ!!
※※※※
「・・・あの、私からも質問いいですか?」
彼女がなにやら質問をしていいかどうかを聞いてくる。この聞いてくる仕草一つとっても、かわいすぎるよ。なぜこんなにかわいいのか、なぜこんなにもかわいい生き物がいるのか、本当にわからない。
もしかしたらだけれども、俺がこの時代に飛ばされた理由は彼女と会うためなのかもしれない。なぜ俺はこんなかわいい子と結婚をしなかったのだろうか。帰蝶もまぁ、あれだったけど、この子ほどではなかったからな・・・。やっぱり、政略結婚とかはダメだね! 俺はいつかそういう結婚をなくす・・・・・・なくせるといいな。
「あの、聞いてますか?」
「えっ?」
なんか言ってたのかな? いろいろと考えてて聞いてなかったや。
「ノブ、流石にそれは失礼ですよ」
「分かってるよ!」
もう、なんだよ。
「イライラしては、いけませんよノブ。カルシウム不足ですか? しっかりと小魚を食べてください」
がみがみと、ジョンは僕に言ってくる。本当にうるさいな・・・。
「うるさいなぁ・・・かるしうむって何だよ、もう」
「あの・・・」
彼女は、僕たちの会話に小さく入るようにして、聞いてくる。
「あぁ、質問って何かな」
ジョンがうるさいから、ちょっとだけ彼女の存在を忘れてしまった。
「えぇっ・・・と」
彼女はもじもじとしながら、こう質問をしてきた。
「恨んでる人とかいますか?」




