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信長さん  作者: はいむまいむ
第一章 信長、現代に来る
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二十巻目 フリーズをしやすい人間

女は冷静さを取り戻すことなくただ、呆然と立ち尽くしていた。

その間も男は笑い続けていた。


――だいたいこれが五分ぐらい続いた。


五分後、ようやく男が笑い終わった。

「・・・いや、私としたことが久しぶりに大きく笑ってしまいましたよ」

男は笑うことをやめたが、にやにやとしていた。


「・・・」

女はまだ呆然としていた。


「いい加減、何かアクションを起こしてくれませんかね? 私も少し位アクションを起こしてくれないと、次の行動への指示をしにくいですよ・・・」

男はちょっとだけ、「はぁ・・・」とため息を流し、退屈そうな顔をした。

すると女がようやく重い口を開けた。

「・・・本当に私は・・・・・・女なのか?」

おどおどしながら、体を震わせながら男に聞く。

「えぇ、どこからどう見ても美しい女性ですよ」

男は冷静に、そして微笑をつけ返答をする。

「なんだと・・・・・・よかった・・・・・・」

女は、さっきとはまた違った表情で固まってしまった。


「あなたは、フリーズをしやすい人間なのでしょうかね?」

「そういえば、さっきから何を言っている。南蛮人にしては、日本語が達者だがいったいどこで習ったというんだ? さらに言うと秋葉原とはどこだ? というかここはどこだ? さっきまでいたあいつらをどこにやった? お前は味方なのか? 敵なのか?」

女は突然、顔を真っ赤にしながらしゃべる始めてしまった。

「おや、いきなりおしゃべりになりましたね」

「何の話だ?」

「まぁ、別にいいんですよそんなことは」

男はいちど大きく深呼吸をして、咳を「コホン」とした。


「あなたが今、非常に混乱していることは私でも分かります」

「だから何を言っているんだ?」

「だって、あなたは今の今まで藪にいたんですよね?」

「そうだけれども・・・」

「それが今ではビルがたくさん立っている、この東京秋葉原のど真ん中ですよ?」

「び・・・る? とう・・・きょう?」

女は動揺を隠せずにいる。「えっ・・・えっ?」と、声をもらし、目をきょろきょろとさせている。

「まぁ、落ち着いてください。状況を説明してあげますから」と言い、女の肩をポンと叩き安心させようとした。しかし女は、ポンと叩かれたことに少し腹を立ててしまった。

「状況など等に理解している! 私をあまりなめるな!」

声をあらげ、男に言う。そしてまた腰元に手を伸ばすが、何もないのでただ手を振った。


「えぇ・・・そんなに声をあらげる必要ないじゃないですか」

男は涙声になり声を震わせている。

「・・・す、すまん」

女はちょっと悪びれて、顔を染めた。


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