百九十五巻目 こぅひぃ
今回は次回のことを考えて短めにしています。
修正をしたい……
※※※※
「さて、偽美希」
「なんだ、南蛮人」
「だから南蛮人はやめて下さいと何度も言ってるじゃないですか」
「南蛮人に南蛮人と言って何が悪いのだ?」
「私は南蛮人では無く、アメリカ人です。そこらへんはきちんとしておきましょうよ」
「きちんとも何も、俺はあめりかというものを知らないし、知らないものを知れというのは犬に言葉を話せといっているようなものだぞ?」
「あなたは犬レベル何ですか?」
「俺は、信長様の犬である」
女の子がナチュラルに俺と言ってくるのには、ジョンも対応に困るようで微妙な表情を浮かべている。彼らが今いる場所は、初めて彼らが出会った場所であるジョンの研究所だ。今彼らは、中庭にあるテーブルに座りながらコーヒーを飲んでいる。
「しかし、この黒い茶はものすごい味がするな」
「コーヒーですよ、この飲み物は」
「こぅひぃとは、またへんてこりんな名前だ」
「日本語じゃないですからねぇ……」
テーブルの上には、コーヒー以外にビスケットが用意されていてそれをかじりながらジョンは青空を眺めている。一歩の偽美希というとコーヒーを飲みながら「抹茶よりかは、苦みはないが……果たしていったい?」と何度も繰り返して言ったりしている。
「さて、偽美希」
「なんだ?」
「……とりあえず聞いておきたいんですけれども、呼び名はそれで定着でいいんですね?」
「信長様が、私の事をそう呼んでくださっているから、お前もその名で呼ぶがいい」
「本名が知りたいところですが、今は諦めておきます」
偽美希はビスケットを手に取り、「食べ物か……」と言ってポリポリと食べ始めた。
すると、ジョンは咳払いをして偽美希に「あなたに説明をしておきたいことがあるんですよ」と言った。
「ん?」
ビスケットの粉が口元に大量に付着して不思議な顔を浮かべながら、偽美希はジョンのほうを見る。
「……まずは、その口元を拭いてからのほうが良さそうですね」
そう言って、ジョンは偽美希の口元を手元にあったハンカチで拭いた。




