百九十四巻目 後編 すべてはお見通し
今日は後編を投稿します。
明日は続きか総集編を投稿します
「まぁ、いいさ。最後の最後で君が泣くことがなければ、それだけでいいさ」
「そうですか……」
最後の最後で君が泣くことがなければ、それだけでいいさ……か。一体、俺が何に泣くというんだろう? 俺は生まれてからこの方泣いたこともないし、今後ともなく予定はない。だからこそ、俺は泣くわけにはいかないのさ。俺は、俺のためにそれを回避するだけだ。
「それで、まずこの問題をこの文章を使って練習をしていこうと思う」
「はい」
そして、ミスター安藤は問題を出して、それを俺が必死に解いていくという構図が、そこから五時間近く続くことになった。
―――
「―――よし、これぐらいでいいだろう」
「……」
「どうして、そんな無言なんだ?」
「いや……少し疲れまして…………」
「勉強っていうものはつかれるものさ。だからこそ、君は今日勉強したってことさ」
「そうですか……」
なぜかミスター安藤は笑っている。彼の手元をよく見てみるとスマートフォンを素早く動かしている。画面の中をよく見てみると、株とかって書いてあった。詳しいことは分からないけれども、多分その内容が彼にとってうれしいもので楽しいものなんだろうな。
「さて、今の時刻は15時。昼はとっくに過ぎている。だから、今から私は一度自分の家に戻り昼食と少し仕事をしてくる。ここへ戻ってくるのは18時頃の予定だ。それまでの三時間を有効的に使いたまえ」
そう言うと彼は、サッと立ち上がりバッグを持って「では」と言って外に出ていってしまった。
そして、今ここには勉強で疲れ果ててしまった第六天魔王と呼ばれている織田信長がいるだけだ。
「……とりあえず、飯を食おう」
腹が減っては戦もできないし勉強もできない。とりあえずは、何か腹に入れてから始めることにしよう。
あぁ……空から声が聞こえる




