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信長さん  作者: はいむまいむ
第五章 信長、受験生になる
210/358

百九十巻目 あきらめてください

信長って一体

「津軽弁というのは、どうでもいいことなんですよ、ノブ。そこらへんしっかりと理解していますか?」 ジョンはなぜか俺に冷静に聞いてきた。


「じゃあ、何を理解しろっていうんだよ?」

「私が話をしている理由は、私がどうやって日本語を学んだか。そして、誰が私に日本語を教えたのかということですよ?」

「あぁ、そういえばそうだったな」

「まったく……人の思い出というのはかけがえのない宝物のようなものなんですよ? それを、そんな風な適当な返事だと私の思い出が汚れてしまいますよ」

「お前は汚れだらけじゃないか」

「汚れこそ、私の美しさです。ただ、それは自分で汚すからこそ美しいのであって、他者の汚れは美しくならないんですよ」

「なんだ、その美学は?」

「汚学とでも呼んでくれれば幸いですよ」


汚学って、一体何なんだよ。ジョンは、本当にわけの分からないやつだ。


「じゃあ、話を続けさせてもらいますよ」

※※※※


ミスター鈴木は仲介役の人に紹介してくれる人の連絡先を渡して、それでミスター鈴木は帰ることになりました。


そして後日、ミスター鈴木から「直接会う席を設けた。都合をつけてあってくれないか」と、連絡を受け、私たち(私と仲介役の人)はその日から二日後に青森県のとある場所でまた会うことになった。その時はミスター鈴木と紹介してくれる人は、ミスター鈴木の講演のために青森に来ていたようだったので、こんなにも簡単に会うことが出来たんです。


それで、会う日の当日になり、言われた場所に行ってみるとそこにいたのは「がはは」と大きな声で笑っているミスター鈴木と、「教授、うるさいですよ」とミスター鈴木のことを注意している落ち着いたスカートをはいている女の子だったんです。


「おぉ、ジョン君。今日は、もう津軽弁はいいから普通に英語にしゃべってくれ」

「分がた」


そのあと、いろいろと世間話を英語で話あった後、「そろそろ、こいつについて紹介をしてやるよ」とミスター鈴木が、さっき自分のことを注意していた女の子の襟元をつかんで言ってきたんです。


「こいつはな、うちの大学の総合首席でかなりの変わり者だ。まぁ、本当に変わっている奴だけれども、かわいいところもあるんだ」

「ほぉ、それはそれは」

「教え上手なのは、俺が認めるほどだ。だから、どうだ? 彼女が君の日本語を教える係ということでいいかね?」


どうやら、彼女が私に日本語を教えてくれる。その時、私はようやく彼女の存在意義についてしたのです。


「教授。私を置いて勝手に話を進めないでください。なんで私が人を教えなければいけないんですか?」

「何事も経験さ」

「経験なんていりません。私は経験よりも、研究や情報を分析していたいんですよ」

「そんなものは、俺みたいなおんじになってからやれ。それでも早いくらいだよ」

「……」

「教授の指示だ。それでいいな?」

「……はい」


どうやら、ミスター鈴木に押し切られたようだ。かわいそうにと思うけれども、私の為です。あきらめてください。


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