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信長さん  作者: はいむまいむ
第一章 信長、現代に来る
21/358

十九巻目  あはははは! あひゃひゃひゃひゃひゃ!

※※※※

「それにしても・・・」

「・・・? どうしたジョン」

ジョンが沈黙を破った。素晴らしい沈黙を。

「いや、よくそんな服を着れるなと思いまして」

「はっ?」

「えっ?」

俺と彼女は突然のジョンの発言に動揺してしまった。


「いや、だってあんな恰好ですよ」

彼女に指をさしながら、にやにやしている。

「かわいい恰好じゃないか」

思わず言い返す。どこがにやにやするポイントなのか? なぜ、そこまでにやにやする必要があるのか? まったく・・・。


「だって、裸同然の恰好じゃないですか!」

いい終わった後、「プ八ッ!」とジョンは吹いて、ゲラゲラと笑い始めてしまった。

まぁ・・・確かに・・・・・・。


「・・・二人とも、そんな変な目線で私を見ないでください」

冷静な声で、彼女に言われてしまった。いやはや、失敬。



「・・・そういえばなんだが」

今度は俺が沈黙を破ってみた。

「何ですかノブ?」

ちょっとだけ気になったんだ。

「いや、どこでジョンと君が知り合ったのか疑問でね」

おっ、はじめて彼女に「君」って言った。これは、発展するな!


俺の問いかけに、ジョンと彼女は「う~ん」と悩み始めてしまった。


「まさか、思い出せないの?」

まさか、な。彼女は忘れているかもしれないけれども、ジョンが忘れるとは到底思えない。男なら誰しも、このような容姿を兼ねそろえている。その姿を見た途端に、「うわぁ・・・」と驚き、その姿は脳裏に焼き付き、一生忘れないことはないだろう。


「いや、忘れてしまったものは忘れてしまいました」

「やっぱり忘れちゃったのかよ。君は?」

「私も・・・忘れちゃいました」

「なんだよ、二人とも忘れちゃったのかよ・・・」

なんだよ、つまんないなー・・・。


※※※※

平成22年7月2日 東京 秋葉原 ビルの間の暗がり

雨降りしきり、地は濡れ、夏特有の湿気が外を包んでいた。そして・・・


「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

一人の女が、ここに着いた。


「ようこそ、秋葉原へ」

男の声が、女に届く。

「誰だ!」

女は腰元に手を伸ばすが、腰元には何もなくただ手を振るしかできなかった。

「くそっ・・・」

女は、女らしからぬ渋い顔をした。


「まぁ、そんな渋い顔をする必要はないですよ。私は怪しい人物ではありません。それに、ここは非常に安全なところですよ」

男は冷静に、淡々と話す。しかし、女は信じることはしなかった。

「だ、騙されるか! ここは・・・?」

強気に出るが、あることに気づき戸惑い始める。気づいたこととは

「今あなたは、自分がいる場所について疑念を持ちましたね?」

「!?」

図星だ。女は男に言われたことに驚き、膝をがくんと落とした。

「まさか・・・ここは・・・」

「さすが、あなたは勘が鋭いですね!」

「死後の世界か・・・」

女は、納得したように目を閉じた。

「察するに、私はすでに死んだんだな。あぁ、まぁいいだろう。やりたいことはやった。気持ち晴れやかに地獄にいけるな」

「えっ、ちょっ、はっ?」

「さぁ、連れていけ・・・南蛮人?」

男は勝手に話を進めていく女に驚きを隠せなかった。そして女は、男が南蛮人であることに気が付いた。

「正式にはアメリカ人ですけどもね」

「あ・・・めり・・・・・・か?」

「あぁ、忘れてください。あなたの時にはまだなかったですね」

男は、にこやかに笑った。

「何がおかしい、南蛮人!」

「いや、本当におかしいですよ」

「何がだ!」

男は「ハッ、ハッ、ハッ!」と声を大きくして笑った。

「だって・・・お、おぅ」

「おう?」

「女じゃないですか、あなた!」

男は涙を流しながら笑い始めてしまった。

「あはははは! あひゃひゃひゃひゃひゃ!」

それとは逆に女は青ざめていた・・・。


「私が、おんなだと・・・?」


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