百八十八巻目 ジョンの思い出
「ある人物って誰だよ?」
「あなたも知っている人ですよ?」
……話の流れから推測すると、この知っている人物というのはミスター安藤のことになるだろう。前にもジョンからミスター安藤にいろいろ教えてもらったって聞いたこともあるし、絶対にそうに決まっている。
「ミスター安藤のことか?」 俺は確信をもって、ジョンにそう言った。
「……あなたならそう言うと思ってましたよ」 ジョンは不敵な笑みを浮かべる。
「当たってるのか? 間違ってるのか?」 俺は強く聞いてみる。
「さぁ、どうでしょうね……と、言いたいところですがこれ以上回答を先延ばしにしてしまうと、あなたが不機嫌になってしまうと思いますのでここは、間違っていると素直に答えておきましょう」
「なんだ? それは」
「おや、おっかない人ですね」
不機嫌になってしまうから、間違っていると素直に答えるとか、そう言うことを言ってもらいたいんじゃないんだよ。それが、余計な一言なんだが、ジョンはいつになったらそれに気づいてくれるんだろうな。まぁ、絶対にわざと行ってるんだとは思うけれども、それにしたってこっちにも我慢の限界があるぜ。吐きだし口がなくなってしまった今の俺は、いつでも暴走ができる状態にいるんだぜ? 心が読めるんであれば、そういうところにも少し気を使ってもらいたいところだよ。
「……まぁ、ミスター安藤とはその知人を通して会ったわけなんですがね」
「ミスター安藤と知り合いの人間……あぁっ! そういえば」
俺は、なんでこんなことに気が付かなかったんだろうか。俺がなぜ、高卒認定を受けることになったのか。それには二人の原因がいたせいじゃないか。
一人は、今ここで思い出話をしているウザい外アメリカ人のジョン。
そして、もう一人。ジョンと一緒に笑いながら俺に高卒認定を受けるように言ってきた人間……。
「お前が日本語を教えてもらったのは、鈴木さんか……」
「ザッツライト! その通りです」 ジョンは中々の笑顔でそう俺に言ってきた。
「その頃のミスター鈴木は、まだ教授だったんですよ……」
※※※※
「おぉ! 君がジョンタイタ―君かね。噂は色々と聞いているよ」
「んだんじ。わがジョンタイターじゃ」
「?」
当時、私は日本語を聞きとり理解するということはできましたが、いざ日本語を話そうとすると、すべて簡単な津軽弁でしか返せなくなっていました。なぜ、日本語の標準語では無く津軽弁でしかしゃべれなかったかといいますと、簡単な話初めてこの時代の日本に来た時、私は東京と間違って、津軽に着いてしまったんですよ。それで、そこから知り合いになっていった人達全員が津軽弁しかしゃべれない猛者ぞろいで、かなり困りましたよ。だけれども、なぜか津軽弁の人達には英語やスペイン語が通じまして、それで意思疎通を図ると同時に津軽弁を覚えていったということです。
だから、はじめてミスター鈴木にあった時は津軽弁をしゃべってしまって、ミスター鈴木をかなり混乱させましたよ。
次回は明日か明後日に




