百八十三巻目 前編 精神的なもの
時間がなかったので、久しぶりに前後編
jubeat...
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先に言っておこう。俺は、国語の後に行われた二教科の試験については、全く話をするつもりがない。話したくないんじゃないんだ。話すことが全くないんだ。
「まぁ、初日にやることはこれで終わりだ。私は、もう家に帰って君の試験の採点をして明日やることを最終的に決めなくてはいけないから」
彼はそう言って立ち上がると、「それじゃあ、明日」と言って玄関に向かっていった。
「あぁ、一つだけ言っておくことがある」
「なんですか?」
「あのジョンの奴にはだまされるなよ」
「?」
彼は一体何の話をしているんだろう。ジョンがだます? 確かにあいつはウザいやつだし、多少癪に障ることはあるけれども、人を騙すようなことはしない人間のはずだ。俺が言うんだからそうに決まっている。
―――いや、もしかしたら本当に彼の言っている通り、騙されているのかもしれない。最近、自分でもわかるんだ。俺が俺らしくない。俺は、一体誰なんだと。
ただ、それに結論を出すことはできない。俺には、結論を出すほどの力を持っていないし、能力もない。だから、とりあえず今日は寝ることにしよう。やることもないし、やる気も起きない。
織田信長、一体どういうことになってしまったんだろう。
俺は一体、何をしているんだろう。
わからない。分からない。
だけれども、進まないといけない。俺は、織田信長のために、織田信長であるためにしなければいけない。
織田信長の、ことを。
次回は明後日投稿します。
土曜日に、色々と書きます。




