百八十一巻目 じゃあ、はじめ
彼は、彼が持ってきたバックの中から紙を取り出して机において「これを見ろ」と俺に言った。
紙に書かれてい居たのは、カレンダーで表の中にはたくさんの予定が書かれていた。
「この紙に書いてあるのは、一か月間でこなすメニューだ。一つの遅れがあってもいけないし、咲きどることも許さない。まずは、その日にその日のことをやる習慣を身につかせる。まぁ、君は働いているというしこんな風にして無理やり見につかせなくてもいいと思うけれども、とりあえず保険みたいなものさ」
「そうですか」
「とりあえず、今日のスケジュールを説明する。今日は、君の学力を知りたいからテストをやってもらう。確か、君は中学校は卒業しているんだよな?」
この質問の意図は、多分ジョンが俺のことを彼に伝えた時に発生してしまったものだろう。俺の戸籍に残っている学歴は、中学校までだからそのことを確認しているんだと思う。
「はい」
とりあえずここは話を合わせるために、中学校を卒業したということを認めることにする。だけれども、実際には学校というものに入ったことがないおろか、そもそも俺がいた時代には学校というものがなかった。勉強というか、教育っていうのは俺の場合だと全部たくちゃんに任せてたから、あれだしねぇ……。
「中学校卒業程度の問題にしてあるから、多少のブランクはあるにせよ出来れば三十点以上取ってくれると、今後の予定を考えると楽になるな」
「そ、そうですか」
「とりあえず教科は三教科。国語、数学、英語だからまぁ、普通に解いてくれればいいよ」
「分かりました」
彼はバックの中から、冊子を三冊取り出した。
「制限時間は一冊三十分。どの教科からやってもいいけど、分からなかったらあきらめろよ。無駄に考えるだけ時間がもったいない」
「わかりました」
冊子を三冊すべて手渡された。そして彼が、
「じゃあ、はじめ」
と言って、多分人生で初めての試験が始まった。




