百六十九巻目 生まれて初めての一人での戦い
信長さんはこの話でだいたい三分の一と言ったところです。
織田信長を崇拝する人。そして、戦国武将を色々としている発酵少女のみなさん。
ここまで、織田信長というもので遊んでしまってごめんなさい。
これからも、織田信長というもので遊び続けていこうと思います。
「朝も言ったと思うけれども、生贄ボーイ。お前には、リーダシップが足りないんだ」
「そうですノブ。あんたには上にたつという心意気が足りないんですよ」
仮にもおれは、織田信長だぞ? この時代の日本の中だったら、まず日本史の中での偉人とは誰だ? と、きかれたら真っ先に出てくるような人間だぞ?
一時は上洛をしようとした男だぞ? 上洛と検索したら、上洛の次に出てくるような人間だぞ?
その俺が、リーダシップがないだとか、上に立つという心意気が足りないとか言われても、全くピンと来ないよ。俺はこれでも頑張って一国の主としてやってきたつもりだし、俺のやり方についてきた家臣たちもいたはずだ。もちろん、俺のやり方に嫌気をさした奴らもたくさんいたと思う。だけれども、結果としては日本史の中でも一、二を争うような人気者になったんだぞ?
「ノブ。忘れてませんか? 私が心を読めることを」
「えっ? ジョン君、君心を読めるのかい?」
「あぁ、ミスター鈴木の心は読めませんから安心してくださいね」
「それなら安心だ」
一体何が安心なんだ?
「ノブ。あなたはその固定概念から外れるべきなんですよ。最近にはなかったあなたのナルシスト感があって、今の考えは非常に良い考えだと思いますが、それにしてもやはりあなたの固定概念というものは存在しています」
「固定概念ってなんだよ?」
「……」
俺が聞くと、ジョンは黙ってしまった。もちろん、鈴木さんもだ。
そして、数秒間の沈黙がありそれを破るかのように、偽美希が声を発した。
「それを見つけるために、だいがく? というものに行くんじゃないんですか、信長様」
「見つけるため?」
「そうです、ミキ! 私が言いたかったことはそう言うことですよ」
さっきまでの偽美希とは思えないような言葉を、俺に発した。そしてその言葉をさも自分が行ったかのように主張するジョン。
「ノブ、あなたはあなたの持つ固定概念を見つけ、それを取り除くもしくは良い方向へと持っていくために大学に行くんですよ」
「……」
なぜだろう。口喧嘩はあんまりやったことないし、戦いとなるとかなり大掛かりなことしかやってきたない俺には、この話し合いというなの一方的な誘導に対して反抗することができなかった。
むしろ、ジョンや鈴木さん。あとから紛れてきた偽美希の意見がすべて正しく、素晴らしい意見に見えてくるようになったほどだ。
洗脳といってしまえば一言で片がついてしまうが、それにしても不思議なものだ。
洗脳なのに、洗脳の感じがしない。プロの洗脳っていうのはこう言う感じなのかな?
「……分かったよ。大学に行くよ」
俺はこうして、大学に行くという生まれて初めての一人での戦いというものを、始めることになってしまった。
後悔はしていない。ただひとつ言うんだったら、もう少しジョンと鈴木さんに文句を言ってから大学に行くということを言いたかっただけだ。
明日は、投稿します。
多分、投稿します。




