百五十巻目 黄泉の国じゃねえのか?
この話でこの章は終わりです
明後日からは新しい章に入ります
よろしくお願いします
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「ようやく帰ってきたの?」
「はい、色々と時間かかってすいません監督」
「ホントよ!」
神様に秋葉原のライブのところまで飛ばしてもらって、中に入ったらそこにはお客さんはいなくて、怖い顔をした監督が立っていた。ふと、ライブ会場にかけられている時計を見ると、とおの前にライブは終了していることが分かって、かなり焦っている状況だ。
「まぁ……無事に帰ってこられたから良しとするわ……」
「はい、ありがとうございます」
「ありがとうございますじゃないわよ!」
「すいません……」
「……で、美希は大丈夫だったの?」
監督。その質問はかなり難しい質問ですねぇ。
そう、言いかねていると監督が「どうしたの?」と聞いてきた。
とりあえず、美希本人かどうかは分からないけれども、連れてきた偽美希を紹介して今の場所を濁すことにした。
「とりあえずは、大丈夫でした」
「とりあえず?」
やっぱりそこに引っかかってくるか。
「えぇ、体のほうは大丈夫だったんですけれども……」
「?」
どうやって説明すればいいんだ? そう悩んでいたとき、神様が僕に救いの手を差し伸べてくれた。
「そのですね……頭のほうがすこし、記憶と精神が……」
神様がそういう風におとなしく説明をしてくれた。間違ってはいないけれども、間違っている、そんな説明だ。
その説明を受けた監督は、一瞬ふらつき頭を抱えた。
「……いったい、美希は何に巻き込まれたというの?」
「それは、分かりません」
「そう……」
監督は悲しくそう言った。
「とりあえず、美希の姿を見せてくれる?」
「はい!」
ということで、とりあえず監督に偽美希を見せることにした。
「そう、美希の体は無事なのね……やっぱり、きれいな顔立ちだわ……」
偽美希を見ながら、監督はそう言う。
「おい! さっきの動く箱は何だ! どういう原理で動いてるんだ!」
監督がこの偽美希が馬鹿みたいに話していることを無視してくれていて本当にありがたい。話が進みやすいからね。
監督は、数秒間の沈黙の後「とりあえず今日は、生贄君も美希も家に帰りなさい。本当は美希にどんなことがあったのかを聞きたいけれども、今の状態じゃ聞けないからねぇ……」といって、俺たちはライブの会場を後にすることにした。
神様の好意で家まで車で送ってもらえることになった。その車中偽美希が「おい! 本当にここ日本なのか! 黄泉の国じゃねえのか?」 とすごくうるさかったけれども、まぁこの景色になれるまでの辛抱だ。
「ただ心配は残りましたね、生贄殿」
「そうですよね」
「リーダーはどこに消えてしまったんでしょうか」
本当にそうだ。美希はいったい、どこに行ってしまったんだ。
明日は特別編を投稿したいと思います。
ポケモンGO楽しすぎます




