十四巻目 ぷらもでる
「・・・お待たせしました」
とてつもなく震えた声が部屋の中に響く。
響き渡った後、姿を現したのは先ほどの女性だ。しかしそれにしても・・・なぜあんなに怖い顔をして、ちょっと涙目なのだろうか。
「・・・ぅつ!」
声を少しもらしているが、その意味は分からない。それにしたってどういう風に対応したらいいんだろうか。まったくもって言葉がないよ。
・・・・・・というか、なんでさっきとは違う服をしているんだ。なぜ白装束何だ?
「ちょっと、ノブ。また、待っていてくれませんか!」
ジョンがいきなり言うもんだから、ちょっと驚いてしまった。そんなに慌ててどうしたのだろうか? そんなに白装束が気に入ってしまったのだろうか。まぁ、ちょっと色っぽいしね・・・そりゃあ、気持ちがわからないでもないけれどもさすがにね・・・。
・・・・・・だけれどもまた待つのか。
僕の考えをよそに、ジョンは慌てて続けてくる。
「緊急事態が発生したんです。ノブ、時間は取らせませんから!」
「別に、いいけれども・・・」
「ありがとうございます」
そういうと、ジョンはまた女性を連れだしていってしまった。
残念だけれども、また連れだしてしまったのだ。悲しいねぇ~。まぁ、いいけれども。
それにしたって緊急事態って何だろうな? あれかな、がすってやつを止め忘れたのかな? ジョンがうるさく言って、覚えてしまったよ。がすは危ないから、絶対に使わないでくれ。使ったら必ず止めてくれ!って念押しされたからな・・・。
がすって何なんだろうな。そんなに危ないものなのかな?
※※※※
「バカですか、あなたは?」
「馬鹿よ・・・」
女は、涙を流している。
「・・・涙を拭いてください。私は別に怒っているわけではないんですよ」
ジョンは女にハンカチを手渡した。女はそのハンカチで涙を拭いた。ついでに鼻をかんでやった。
「・・・鼻はかまないでくださいよ」
「いいじゃない、これぐらい・・・」
しばし、沈黙が流れる。
※※※※
遅すぎだろ・・・。いや、もう、暇っていうかそういう話じゃなくなってきたぞ。なぜだか俺はやる気に満ち溢れているんだ。今俺は、何かを成し遂げたくて仕方がないんだ。あぁ、何かを成し遂げたい・・・どうすれば・・・・・・?
「ぷら・・・もで・・・・・・る?」
“ぷらもでる”とはいったい何だ? というか、なぜ俺のところにあるんだ? いったい誰が・・・ってまぁ、察しはつくんだけれどもね。
書いている絵は、なにやら良く分からないが、人形のようで人形ではなく、人ではないなにやら良く分からない角ばった機械のようなものが描かれている・・・。
これは、開けてみるしかないな!




