百四十一巻目 素の神様
「やっぱり、そこが聞きたいですよね」
「やっぱりってどういうことだよ?」
「まぁ、普通の人でも聞きたいと思いますけれども、あなたならもっと聞きたいと思っていましてね」
なんだジョン、その言い方は。俺をいったい何だと思ってるんだよ。
「とりあえず、お教えしましょう。あなたの連れの人も私が何ものなのかを知りたいようですしね」
「……!」
神様はいきなりジョンに指されたので驚きを隠せずに、変な顔をしていた。
それを見てジョンは、ニヤッと笑っていた。
――――
「ノブには言っていますが、私は未来人です」
普通の人が聞いたら、「こいつ頭が終わっているのか?」と思うようなセリフだけれども、ジョンの話をかなり前から聞いている俺にとって別に気にするようなことでは無かった。むしろ、当たり前の事だったがここに一人だけ、それが当たり前じゃない人間がいる。
「いったい、何を言っているんですか……この、ジョンという人は」
「だから、私は未来人だと……」
神様に聞かれて、ジョンがすこし笑いながら答えると、神様はすこし唇をかみしめて「未来人なんかいるはずがないじゃないか!」と大きな声を出した。
「……!」
あまりにも突然、神様が大きな声を出したので笑っていたジョンもびっくりして黙ってしまった。俺も、神様がまさかそんな大きな声を突然出すとは思ってもいなかったよ。
「……すみません。少し感情的になってしまいました」
素の神様は、こういう感じなんだろうか?




