百三十六巻目 本当になんなんだろう
昨日は、投稿を忘れていました。
なので、昨日分を今日投稿します。
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何十分か歩いた後、私は人が通れそうな獣道を見つけて、坂が下がっているほうに向かって歩いき下って行った。
すると、着実に獣道は広くなっていき、次第に物音が聞こえるようになった。
『――――』
人が近くに居そうだということは分かったけれども、今の時代の情勢が分からない限り、きやすく人に話を聞くことはできない。
こういう時、私は信長様だったらどうするんだろうか、ということを考えてみたりする。
やっぱり、信長様は、人間性とかそういうものに関して右に出るものはいなかった。
だから、私も、信長様にならっていろいろと考えては見るけれども、やっぱり信長様みたいなすごい考えは生まれなかった。
だからといって、考えるのをやめてしまうのは今の状況を打開できないので、あまりいい選択とは言えない。
自らの考えの低さは十二分に知っているけれども、そんな程度の低い考えでも考えなければならないというのは、本当に悲しいものだ。
無駄に青い空が、無性に腹立たしい。私の事を見下しているように思えるのだ。
あの爽やかな青い空。信長様も見ているのだろうか?
――――
もう、人の声がはっきりと聞こえるような場所になったが、まだ人を確認することはできない。
「――だから、言ってるだろが! さっき本当に森に人が落ちてきたんだって!」
「おめぇは、いつも嘘ばかりつくからな。信用できんのう」
「俺のことを一度は信用してみいや!」
「だって、嘘つきの信長ってことて、有名やないか!」
「誰だ! そんなこと言うたやつは」
「この辺じゃ、みんな言うてるぞ!」
……一体、何の会話なんだろう。本当になんなんだろう…………。




