百三十三巻目 僕の遊び場です!
「美希を助けに来た……えっ?」
「えっ?」
また、疑問のぶつかり合いが始まってしまったよ。だけれども、今の「え?」はさっきのとはちがう感じのやつだった。さっきのは本当にわからなかったからいった究極の疑問形の「え?」だったけれども、今の「え?」は何か理解をしている感じのやつだった。
だから俺はジョンに対して、「美希は本当にここにいるのか?」と問いただすことにした。
すると、ジョンは知っているときやるサインである頭をポリポリとしながらこう言ってきた。
「……居るといえば居るんですけれどもねぇ」 なんとも、ジョンらしい回答だった。
ジョンらしい、なんともあいまいで逃げようとしている言い方だ。だから俺は、それを追求するように「居るといえばいるって、一体どういうことなんだよ?」といった。
「まぁ、私についてくれば分かりますよ。私も、ちょっと困っていたところでしたからね……」
ジョンが困っているというのはとても興味深いけれども、いったいどういうことなんだろうか。美希が居るといえば居るというのは。ジョンのことを信用するわけじゃないけれども、奴は逃げるときはしっかりとした逃げの言葉を言うから、今回はあまりしっくり来ないな。
「あと、本当にその人は神様なんですか?」
ジョンがかなり真面目な顔で聞いてくる。
だから俺も真面目な顔をして、こう言った。
「ただ単に、あだ名でそう言っているだけだよ」
――――
ジョンが進んでいくのを、俺と神様は黙ってついていく。神様の顔をのぞいてみると、緊張をした顔をしながらも目はとても爛々と輝いていた。
「もうすこしですよ、ノブ。それと、神様」
確かに、ジョンの言う通り向こうのほうに白色の明かりが見えてきた。もちろんはっきりとは見ることはできないけれども、確かに明るいといえるほどの明かりだった。
ジョンや神様に聞きたいことは山ほどあるけれども、とりあえず向こうにつくまでは静かに歩いて異様。
――――
「さて、ここが研究所の中心部である、あぁ……なんていうか、その、うーん…………僕の遊び場です!」
ジョンは着くなり、俺と神様にそんなことを言ってきた。
「とりあえず、ここで落ち着いてください。あなたたちには実験をするつもりはありませんから」
一体、この場所で何をしてるというのだろうか……。




