百三十二巻 美希を助けに来た
明日も投稿しますので、よろしくお願いします。
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暗い通路を進むのはやっぱり心が沈みますね。それにしても、いったい誰がこの施設に侵入したんでしょうかね。入り口付近の赤外線に引っかからずに、偵察本部直轄の赤外線である最終防衛ラインの赤外線に引っかかってくれたのは私たちの運河良かったからでしょうが、それにしてもその最終防衛ラインまで侵入者がこれるなんて……もう少し、警備を重層化しなければいけませんね。
あぁ……なんか見えてきましたね。あぁ、もう怖いな。わきの汗が止まりませんよ。あとで、わきの部分を重点的に洗わなければ……。
ていうか、あのシルエットって……?
「あれ?」
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疑問のぶつかり合いの後、少しだけ静かになりそして神様が「あぁ……」と何か感激したこえで泣きだしてしまい、俺とジョンはその様子を凝視した。
「なんで、この男性はいきなり泣きだすんですか? 日本人は、外国人のことが怖いんですか? もう、訳が分かりませんよ!」
いや、訳が分からないことにおいてこの状況で俺以上の奴はいないだろう。だって、この場所がどこかわからないのに、美希がいると聞いてきたのに美希はどこにもいないし、ジョンはなぜかこんなところにいるし、本当に訳が分からないよ。
「ノブ」
ジョンが俺の名を呼ぶ。
「いったい、この男性は何者なんですか? そして、なぜこんなところに来たんですか?」
「この人は、神様」
「神様? ノブ、キリスト以外にも新興宗教にもはまってしまったんですか?」
「いや、そういうわけじゃないんだけれども」
「……まぁ、いいでしょう。で、なんでここにやってきたんですか?」
そりゃ、まぁ、ひとつしかないだろ。
「美希を助けに来た」




