百二十九巻目 というか、今は何時だ?
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この前は、遠くからこの場所で神様がピッキングしている姿を見ているだけだったけれども、今日はなぜかその場所を歩いている。それも、神様の鼻歌付きで。
「いやー、素晴らしいですね、今日という日は!」
なんか、すごい。神様が上機嫌だ。
「やはり、うちの学生は優秀です。これほどのものを作れるんですから、きっと前世はいい行いをしたんでしょうね」
確かにあの実験室にいた人たちは、かなり変わっていると思うけれども優秀だとも思う。
だけれども、そこまでいうほどではないと思うけれどもな。
「生贄殿。ここで話はガラッと変わりますが」
さっきまで鼻歌交じりで話していた人が、行きなっり真剣に話し始めると、ちょっと怖い。
「なんですか?」
俺は、とりあえず聞き返すことにした。
「ここから先は、少しばかり危険な道のりになるかもしれません」
「えっ?」
「というか、この施設自体この日本という国も干渉できないような施設ですからねぇ……」
「え、どういうことですか?」
神様の言っていることが全く分からない。危険な道のり? 今歩いている道は、普通の建物の中の廊下だし、日本という国が干渉できないような施設だって? もう、なんかわからないよ。
「この施設に、リーダがいることは分かっています。もしかしたら偽の情報が出ているのかもしれませんが、ここらへんには妨害電波も出ていませんから、まぁ間違いはないでしょう」
神様の言っていることは良く分からないが、ここに美希がいることは本当みたいだから、早いとこ見つけ出さないとな。
というか、なんでこんなところにこんな施設が建てられたんだろ。
なんで、美希はこんなところにいるんだろ。
色々と分からないことが多すぎるな。 というか、今は何時だ?




