百二十六巻目 悪い意味で
これからは、月、水、金か土のペースで更新していきたいと思います。
こうしたほうが睡眠もとりやすいですし、いい作品が書けると思います。
そう信じていますから、大丈夫なはずです。
「一体、ここはどこなんだ?」
「あれ? 美希……ですよね?」
「美希?」 いったい誰のことだ?
※※※※
「ふぅ……ようやくつきましたか」
「……」
「生贄殿、どうかしましたかな?」
「いや、何でもないです」
「それならよかったです!」
あぁ、嘘をついてしまった。嘘をつくのは慣れているはずなのに、やっぱり面と向かって嘘をつくと嫌な気分になってしまうな。やっぱりこうおもうようになったのも、この時代に来てからだ。
たとえ嘘をついてしまったとしても、その人が気分を害さないむしろ、気分がよくなるような嘘であれば、ついたほうがいいとこの時代に来てから悟ったんだ。
もしかしたら、元の時代ですでに俺はそういった感じの嘘を部下からつかれているのかも知れないけれども、俺はその時には気づくことはなかった。
その時の立場は上に立つもの、つまりはリーダーという立場だったから、下の者の気持ちが分からなかったんだ。こうやって下の者の気持ちを知れるようになったのはいい経験だと思っている。もしかしたら神様が下の者の気持ちを知るためにこの時代に送ってくれたのかもしれない。もしそうだったら、俺は神様に感謝してもしきれないだろう。
だって、この時代に来てから色々なことを知れたし、いろいろと楽しいことも体験できた。
最初のうちは早く帰りたいとばかり思っていたけれども、最近はまだこの時代に居たいなとか、戻りたくないなと思うほどになってしまった。
心の中にこういった面白い思いが巡るようになったのも、この時代のおかげだと思う。
だけれども、神様の運転は良いもの……というよりかはもう、なんかすごい運転だったよ。
普通の平坦な道を走っていたはずなのに、乗り心地は山道のようだった。
平坦な道をここまで変えられるのだから、神様はものすごい人なんだろう。悪い意味で。




