百二十三巻目 私に何の実験をするんだろう
「まぁ、その時はその時ですよ」
「?」
神様がなんだか意味深いことを言ってきた。だけれども俺の頭には理解力というものがなかったので、よくは分からなかった。
「とりあえず、行きましょう」
ようやく、俺と神様は美希を救出しに行くことにした。
※※※※
「……ぬぁあ」
目が覚めた。すっきりとした目ざめで体の疲れもなくなっていた。
「ようやく目覚めましたか」
「その台詞を聞くのは、二度目ね」
「えぇ、その通りです。あなたがコーヒーを全部飲み干してしまったから、予定が少しくるってしまいましたよ」
ジョンが言っている意味は分からない。分かりたくもない。
「だけれども、あなたの寝顔を長い間見ることができましたから、良しとしましょう」
「……キモイ」
「ははっ」
笑い方も気持ちが悪い。
「とりあえず、早速実験を始めるとしましょう。コーヒーもケーキも食べ終わりましたから、もういいでしょう」
実験? 何の話だ?
「あなたが寝ている間に、試験服を着させておきました」
「えっ?」
そう言えば、肌触りが変わったと思っていたが今まで来ていたよ服では無くピンク色のワンピースのようなものを着させられていた。
「安心してください。女子の研究員にやらせましたから私はあなたの生肌は見ていませんよ」
「そんなの当たり前でしょ!」
こいつに下着とか肌とかを見られるんだったら死んだ方がましだ。
「まぁ、そんなことはどうでもいいのですよ。というか、寝ている前と寝ていた後で環境が変わっているのによく簡単に適用できますね」
「あぁ……そういえば」
「気づいていなかったんですか? それまたすごいですね」
気がつかなかったというか、気にしなかったというかまぁ、そんな感じだ。
今は、研究所の中にいてかなり暗い場所にいる。
だけれども、そばに大きなライトみたいなものがあるみたいで床のほうには光が漏れていた。
「とりあえず、実験について詳しく説明させてください」
「実験って何よ?」
「えっ?」
「えっ?」
「いや、さっき説明したはず……うーん、まぁもう一度今から説明しますよ」
説明って、もしかしたらケーキを食べていた時になんか言っていたあれだろうか?
それだったら、全く聞いていなかったから知るわけがない。
というか、私に何の実験をするんだろう。




