百八巻 凛が怒っていないといいな
色々とやらかしまして、タイトルのほうがおかしくなってました。
すいません。
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まさか電車が人身事故で止まるとは思わなかった。雨が降っているから、不吉な予感はしていたけれどもやっぱりか・・・。
でも、ひとつだけいうのであればこうやって人身事故で止まってしまっても、ライブの時間は延期できないから、本番に間に合わなければ私はお給料がもらえないんだ。ということは仕事場に行ったとしても何もすることはなく、ただ凛に文句を言われるしかないんだ。凛の説教は本当に長いし、くどいし、本当につらいよ。
いつもであれば数分で行けるところを、今日は三十分かかってしまった。それに人身事故があったのは、東京駅だというし・・・いろいろと辛いわね。
凛が怒っていないといいな。
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「なんでこんなに遅いの、美紀のやつ」
「さぁ・・・。もしかしたら事故でもあったんじゃないですかね」
「えっ! 事故なの?」
「もしかしたらの話ですよ」
「なら、早く探しに行きなさい。全員で!」
「・・・もしかしたらの話ですって」
まったく、監督が美紀を心配し始めるといろいろと厄介だからな。はやく、ここに来てほしいよ。
とりあえず、探しに行くことにしようかな・・・
「まぁ、それは置いておいて生贄君よ」
「はい?」
本気で美紀のことを探しに行こうとしていたから、凛監督に呼び止められるとは思ってもいなかった。
「給料は何に使ってるの?」
「えっ?」
そして、凛監督に聞かれたのはまたものすごくどうでもいいことだった。ものすごく、今の危機的な状況で言うようことではないだろう。
「給料何に使ってるの?」
「えっ、それって、あっ? えっ?」
だめだ、ちょっと怖くなってきた。
怖くて、どうしようも・・・まぁ、答えようと思えば答えられるか。
「給料何に使ってるの?」
「ふ、普通に食費とかに・・・」
「食費って、ジョンが払ってるってるんじゃないの?」
くそ、凛監督はどこまで情報を知ってるんだよ。というかどれだけジョンは情報を凛監督に漏らしているんだよ。
「まさか、風俗とかに使ってるの?」
・・・やっぱり、この人おかしいな。




