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信長さん  作者: はいむまいむ
第四章 信長、学ぶ
117/358

百五巻目 いつもの天井を眺めていた

―――― 


「私は寝るから、あんたはここでじっとしてなさいよ!」

「じっとテレビを見ることに集中しておきますよ」

「できれば電気代節約のために寝てほしいんだけれどもね・・・」

「それはできない相談ですね」


まったく、ジョンはテレビをこんなにも愛してやまないんだろうか。いつも私の家に来るとテレビを見始めてしまう。信長様の家にいるときでもそうだ。私が行くとそこにはジョンがただじっと座ってテレビを見ている姿がある。何をそんなに好きかわからないけれどもジョン曰く、「歴史的遺産を実際に使うのはとても楽しいですからね」ということだった。ジョンの話はまだいろいろと疑わしいことがあるけれども、一つだけ信じてもいいかなというものが最近出ていた。それは、ジョンが未来人だということだ。

それは、色々とジョンの話っていうのがめちゃくちゃなのもそう考えた理由の一つだけれども、たまにぼそっと「~の銘柄が上がりますね」と絶対にジョンが興味を示さなそうな株価のニュースを見ながら言ったりする。最初のうちはこれで当たったんだったら苦労しないわよ・・・ぐらいの程度だったけれども、後日その株価のニュースを偶然見てみるとそこには、ジョンがぼそっと言っていた銘柄がものすごく上がっていることが紹介されていた。私が、ぼそっと言っていたことを覚えていたこともすごいと思うが、ジョンの言葉自体もその時はすごいと思った。ただしその時には、こんな偶然あるのか、ジョンの運はすごいなという程度のようにしか思わなかった。

だけれども、そういった未来を予測したことが何回も偶然に事実になっていくようになってくると、ジョンの運の強さだけではないことを着実に考えるようになった。そして、今回ジョンが消えた一件についてだ。

私が考えるに、この一件はジョンが未来に帰っていたということだと思う。もちろん絶対的な確証はないし、ジョンに聞きたいとも思わない(興味がないから)。


とりあえず、今日は寝よ。明日もライブがあるし・・・・・・眠いし・・・・・・・・・。


※※※※


ジョンが無事に彼女の家にいることは、俺の心の中にちょっとしたほっとした心を持たせてくれたし、それと同時にどうして彼女の家に泊まっているんだ、という嫉妬心が生まれた。

ただし、その嫉妬心のまま行動するほど俺は愚かじゃない。こういう自制心はしっかりとしている。ただ、今すぐに行動したいという意思はあるけれどもね。


目が覚め、俺はいつもの天井を眺めていた。その天井は木でできているから毎日寝起きは癒されてしまう。ここだけは過去と少し似ているからだ。

今でもし帰れるんであれば、過去に戻りたいとは思っている。だけれども、アルバイトを始めてからは、この時代に色々な知り合いもできたし、様々な人間関係を結ぶようになった。

だからできることであれば、過去と未来を行き来しながら生活をしたいよ。


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