九十八巻目 コーヒーを片手に
今日は、少なめにして日曜日に百話に行くようにします。
「それじゃあ、このバールと・・・ついでにこのメジャーも買っておきましょうか。最近日曜大工に凝っていてですね・・・」
なぜここで日曜大工の話を出してくるのかはわからない。というか日曜大工というものが俺には理解できなかった。もしかしたら現代には日曜しか働かない大工がいるのかもしれないけれどもそれはちょっと変わり者の大工だろう。というか、神様がこの日曜大工なのであれば少しびっくりだ。
バールとメジャーを店主が黒いビニール袋に入れてその緒を縛る。その袋の様子はさながら生ゴミか、産業廃棄物か最悪人の死体が入っている袋といえるだろう。なんていうんだろう・・・とにかく、やばい袋と、いった感じだろう。うん、それ以外言えることがないな。
「また来ますね」
「はい、お待ちしていますよ」
店主と簡単なやり取りを終え、神様は汚い埃をかぶっている扉を開けてその店の外に出た。扉の向こう側は店と同じように薄暗く汚い場所だったけれども、どこか心の中では安心感というものが芽生えていた。
※※※※
「なぜここにノブが来ているんですか」
コーヒーを片手にノートパソコンで玄関の監視カメラを確認していた白人は、そのカメラに知り合いの信長が来ていたことに衝撃を覚えていた。コーヒを口に傾けながらそのコーヒーをこぼしていたから間違いはないだろう。




