九十巻目 犬の目の中にはフィルターが入っていて
これまたおかしな話だ。この時代に国というものがあったのかどうかも疑問だけれども、そのタイムマシンの開発と運用を規制するなんて・・・馬鹿げているよ。俺でももう少しまともなジョークを言えるはずだ。エイプリルフールでもないんだから、そんな冗談は聞きたくないんだけれども名。
だけれども、これって現実なんだよな。困ったことに。何十回も、何百回も「これは、冗談だ。これは冗談なんだ」と思いこんだとしても目の前を向いてみるとそこには“タイムマシン”が稼働している現実しか待ち受けていないんだ。そりゃあ本当にタイムマシンがあるんだったら、うれしいし人間の技術もとうとうここまで来たのかと思い感動するかもしれない。だけれどもそれ以上に、この話を聞いている大半の人が思っていることは「タイムマシンができたからといって何が?」とか「時空局の運用を始めるのがどうかしたの?」という、タイムマシンなどに対しての無関心だった。こればっかりはどうにも避けられるものでは無かった。
実際問題、タイムマシンができていたとしてもたぶん我々一般市民は乗ることはできないだろうし、むしろタイムマシンに乗って時を超えるよりも、ロケットに乗って地球の外側に出るほうが今のご時世簡単だろう。だからこそ、無関心になってしまうんだ。いままで夢物語の話をいきなり本当だといわれてもどう対応したらいいかわからない。それが普通の人間だよ。
さて、明日からどうなってしまうんだろうかね。
※※※※
アニメのように私は犬に腕を引っ張られ、体はその引っ張る速度が速いために宙に浮き、気づけばメイドカフェから出ていてお会計も自動的に済まされていた(どのように支払いをしたのかは謎)。そして、犬が急に止まったかと思うと私はそれにより地面に叩きつけられ、「ぬるぅ・・・」という謎の言葉を発してしまった。叩きつけられたときには身体的には傷はつかなかったが、精神的には謎の言葉を発してしまったという羞恥心によりひどく傷ついていた。そして私は、犬に引っ張られるまでの記憶をなくしてしまっていたのだ。これまた不思議なことだが、どうにもこうにも思い出せないんだ。カレーに何か混入していたのかな?
「やっと・・・二人きりになれたね!」
息を「ハァハァ・・・」と漏らしながら、犬は私の耳元近くまでしゃがみそうつぶやいた。これほど安心感のない、恐怖感しかない「やっと・・・二人きりになれたね!」は今までの人生で経験したことがない。もう一つ言うのであれば、ここは別に部屋とかそういう場所ではなくて、むしろ人通りの多いところなのだ。二人きりどころか周りには何百人もいる。こいつはもう少し周りを直視したほうがいいと思う。多分犬の目の中にはフィルターが入っていて、そこには私以外の人間の情報が入ってこないように細工されているんだろう。うれしいような、恐ろしいようなそんな感じだ。
あと、十話で百話目。
それまでにしっかりとつじつま合わせをしたいです。
あと、累計すると今回の話で百話目らしいです。
小説家になろうのサーバーをでかでかとこれからもぶんどっていこうとおもいます。
百話目になったら、何か特別編をかけたらいいなぁと思います。もう、絶対に書きますとは言いませんとも! 自分で決めたことを、私はぶち壊していくタイプの人間ですからね。




