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第1話

「ちっ」

 俺はかなりむかついていた。それは、今日1日にある。

 今日朝起きたら、いつも起きる時間よりも30分過ぎていた。急いで学校に向かい、なんとか間に合うも、1時間目が個人的には一番眠たい化学だったので、寝てしまった。ただ、いつもならだいたい寝てもばれないので大丈夫だと思っていると、今日に限って寝ていたことがばれてしまい、特別課題を渡されてしまった。

 そしてその後の数学の授業で、家でするのは面倒くさいから、今のうちにその課題を少しでも終わらそうと解いていると、これも見つかってしまい、放課後叱られることとなった。さらに、ただでさえ腹が立っている下校時に、自転車のチェーンが外れてしまい、結果押しながら帰ることとなってしまったのだ。


「今日はなんなんだよ。あー腹立つ!」

 実際、初めの2つが起きたのは自分のせいであったということは自分でも分かっていた。それでも、怒りの対象を自分に向けず、そんなことをぼそぼそつぶやいていると、どこからか中性的な声がした。


「転生してみたいですか?」


 突然した声に、俺は怒りの対象を全く関係ないその謎の声に向けた。

「できるもんならやってみろよ」

すると謎の声は、

「フフ、分かりました。望みを叶えてあげましょう」

と答えた。そのときふっと風が吹いたような気がした。今の声何だったんだ? そう思っていると、

「うっ!?」

 突然、心臓を握りつぶすかのように鷲づかみされた感じがした。その後、ゆっくりと意識が遠のいていった……。



--------------------


「……」


「……ださい」


「起きてください!」

「うわぁ!」

 急に呼び起こされて、俺は驚いたのだが、周りを見て、もっと驚いた。なぜなら、

「ド、ドアだらけ……」

目の前の壁一面にびっしりとドアが貼り付けられていたからだ。左右を見ると、通路が果てしなく続いている。

「ようやく気がつきましたか……」

「お前は誰だ? さっき俺に転生を勧めた声と同じだよな?」

「はい、私が申し上げました。ちなみに、ここではまだ私の名前はお教えできません」

「ふーん、まぁ人の人生操れるほどだから、神かそれと同等くらいの人間だな」

「そんなところです。人間ではございませんが」

「そこはどうでもいいだろ。ところでここはどこだ?」


 俺はようやく本題に移らせた。

「ここはドアの間です。どれか1つドアを開けてください。そこが転生先となるところです。ちなみに通路をどれだけ歩いても壁に当たることはございません。永遠に通路です」

「なるほど……」

そう言われて俺は少しの間考えたが、どのドアも同じ形をしているので、どれを開けるとどこに行くのかなどは全く分からなかった。そのため、俺は適当に近くにあったドアを選んだ。

「俺、ここのドアを開けるよ」

「いいのですね? 後で変更は出来ませんよ」

「ああ、いいよ。この辺で腹をくくらないといつまで経っても決められないからな」

「では、いってらっしゃいませ」


 そう言われて俺はドアを開けた。するとそこは、一面が真っ青で、どこかで見たことがあるような世界だった。

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