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78 解けない問題 sideヘルゲ

  





ニコルの「フィー」をじっくり見て、ようやくわかったことがある。俺の立体複合方陣に似たことを、フィーネは一般の方陣でやっていたということだ。



俺の立体複合方陣は、「面」である方陣を階層に重ね、それを縦と横に切るように、同じ方陣の階層をぶち込む形だ。アロイスいわく「サイの目切り」だそうだが。三倍の方陣が一つの階層分の容量の中に納まっているわけだが、各々が接触しているところで新たな方陣が発生していたり、バイパスの役割を持っていたりするので、単純に三倍どころの話ではないんだけどな。要するに俺の場合はマギ言語で直に方陣を作れるのをいいことに、暴力的に複数を繋げている。




フィーネの方陣はなんというか…紐付け、とでもいうのだろうか。一つ一つはよく見る一般的な方陣だ。レベルも不必要に高いわけではなく、フィーを滑らかに動かすためにバランス良く調整されている。そして各々の方陣を繋いでいる「紐」のような存在は、俺が見たこともないものだった。コピーした方陣から紐を分離したが、もちろんそれ自体はマギ言語のセンテンスとして何の意味も成さない。

ちなみにマギ言語の流出を防ぐため、一般に出回る方陣は暗号化されているのだが…フィーネはどうにかしていくつかの部分の役割を割り出し、そこ目がけて紐を繋いでいるようだ。恐ろしい執念だな…


紐の内容は、多岐にわたっている。マギ言語ではなく、一般の言語にマナを乗せていると思うんだが、『~が~の時~しろ』とか『~が~なら~、~が~でないなら~』というように条件を分岐させて命令している…




…参った。

これはパズルの501問目と同じくらい、俺には難しい発想だ。


紐の意図はわかったが、俺はこの「アイデア」の独創性に脱帽だと思った。多種多様な、状況に合わせた動作を実現するとはな…






…ん?ニコルはどこに行った。さっきまで横にいたが。

ダイニングに行くと、アロイスと菓子を食いながら話していてほっとした。



「あ、ヘルゲようやく復帰したかー」


「ヘルゲ兄さん、シフォンケーキ食べちゃった!おいしかったよー」


「そうか、よかったな」


「で、フィーの方陣見てたって?」


「おう。あれは面白い」


「へー、やっぱヘルゲはわかるんだ。僕なんて『変な方陣だなー』としか思わなかったよ」


「私なんて方陣があることも知らなかったよ、最初…」


「あー、まあいい機会だから言っておくねニコル。実はロイとヘルにも方陣仕掛けてあるからね?」


「ええ!?」


「ま、防犯のためにね」


「…ナディヤ姉さんが言ってた通りだね…」


「ナディヤが何て言ってたの?」


「”男の人は過保護ね”って」


「「…」」


「だって、宿舎で防犯って。私が宿舎で危ない目にあったのは、自分で転んだ時くらいだもん…」


「…俺は、ロイとヘルがいるからニコルは大丈夫だと思って安心できるが、ダメか」


「う…そっか…うーん…わかった、いいよ!」



よかった。

確かにいつまでも黙っているのもどうかと思っていたが、ニコルに拒否されたら外さざるを得ない。ただの「お気に入りのクマ」のままでは、大事な時にニコルのそばにいないかもしれないからな。


…今何かが引っ掛かった気がしたが…気のせいか。最近たまにこういうことがあるな。たいていニコルに関することなんだが…まあいい。



「…ヘルゲ、いま何考えてた?」


「 ? ニコルに拒否されなくてよかった、だな」


「…なるほど、うん」


「 ? 」


「アロイス兄さん、なんか一人でわかったような顔してぇ…私も何のことかわかんない。どしたの?」


「ん?ヘルゲが少し進歩したなぁって」


「…何だその上から目線は…」


「いやあ、それはヘルゲが自分で気付かないとね」


「またソレか…」


「そ、またソレだよ」




アロイスの言いたいことはわかったようなわからんような…最近難しくて解けない問題が多いのは気のせいか?俺は自分が馬鹿になったような気分だった。








  

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