6話 噂の真相
今回はかなり短めです
コータにPKされて目を覚ますまで約1日かかっていた。
早くあの噂が嘘だってみんなに知らせようとしたが、時間帯で言えば深夜。
その事はとりあえず後回しでもいいだろう。
栞だけにでもメールで伝えておこうと、メールウィンドを開くと………受信メールが凄い事になっていた。
そう言えば森に出る前にメール送ってたなぁ。
1番最初のメールはソレについての返信メールだけど、2通目以降は私のネームカラーもグレーになってた事に対して心配している内容みたいだ。なんか凄い罪悪感が…。
1秒でも早く安心させてあげたいから、大丈夫とだけ書いたメールを送った。
そのあと、私に何が起きていたか説明する為のメールを書いていたら頭の中に通知音が響き、念話というシステムの申請ウィンドが目の前に。相手は栞からだ。とりあえず認証を押した瞬間。
「優香、ホントに大丈夫なの?今どこ?生きてる?」
栞から凄い質問攻めをされた。
「うん、大丈夫だよクゥ。心配かけてごめんね。チョット色々あって、メール返信出来なかったけど、いまファストの街にいるよ。」
質問に答えると、栞から安堵の声が。
安心したようで良かった。
「色々って何があったの?」
当然の疑問が投げつけられた。しかし電話というか念話で、話し続けるのもアレだし、直接会って話そう。
「念話でずっと話すのもアレだから、クゥが大丈夫なら最後に別れた喫茶店で待ち合わせしない?」
そう提案すると速攻でOKを貰えた。
念話を閉じて、急ぎ足で喫茶店に向かうと驚く事に、栞は既にいた。それよりも驚いたのは深夜帯なのに喫茶店がやっていたことだ。
「ごめん、待たせたみたい。」
謝りながら近づくと突然抱きつかれた。
「ホントに心配したんだからね」
半泣きの栞を宥めて、折角だからと喫茶店の中に入る。
適当に注文をしたあと栞から問い詰められる。
「で、色々って何があったの?」
私がPKされる迄の経緯を話すと怒られた。
「シロって馬鹿なの?あんな噂あったのに、気にせず外に出た上に道に、迷ってPKされるなんて、普通外に出るにしても注意ぐらいするでしょ!」
返す言葉も無かった。
「返す言葉もありません。でも、コレで噂は嘘だって証明できるから結果オーライって事で。」
話しを噂の方へと反らしてみる。
「だね、恐らくグレー表示はデスペナを受けてる意味合いだね。デスペナの内容は1日行動不能ってところかな。」
この事を明日の朝、できるだけ多くの人に伝えて、噂の真相をみんなに伝えると言う事でこの話は終わった。
それからは、私たちが別れた後の栞の話しを聞かせてもらった。
どうやら無事ギルドの仲間とは全員会えたらしい。
そして栞達はPTを組んで、次の街へと続く洞窟の攻略をしているらしい。
そろそろボス戦に挑める状況になってるみたいだ。
なんでもβテストの頃からできるだけ最前線で戦ってらしい。早く現実に帰る為にも頑張って貰いたいモノだ。
話が終わると栞と別れ今からでも泊まれる宿を探してこの日は眠りについた。
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