第2話 オープニングイベント
やっと少し話が進みました。
そして今回も多い説明…
「魔人族ってかいてあるよ?」
ステータス画面に書かれていたのは、栞から聞いた4つの種族のどれにも当てはまらなかった...。
「魔人族!?そんな種族聞いたことないなぁ。もしかして新しく追加された種族かな?でも公式HPにはなにも情報でてなかったし…」
私の種族を聞いて栞は驚いたのち、1人でなにやらブツブツ呟きながら、俯きなにやら考え始めた。
暫くすると、考え事が終わったのか、栞が顔を上げた。
「とりあえず、フィールドにでてモンスターと戦ってみようか?」
栞の提案に賛成し、フィールドに出た。
「街も中も多かったけどココも人おおいね。」
街を出てすぐの草原のフィールドには大勢のプレイヤーがいた。
「まぁ、今日始まったばかりだしね。この辺りはVR初心者でも簡単に倒せるモンスターしか出てこないし。」
栞が説明してくれた、多い理由はわかったけど、この多さでまともに戦闘なんてできるのだろうか?
「私たちはこっちに行くよ。」
そんな事を考えてると栞に手を引かれ、大勢の人達がいた草原から離れていく。
「私はあの辺りで戦わないの?」
「あの辺りは人が多すぎて、今はまともに狩りなんてできないよ。モンスターは若干強くなるけど今から行くとこの方が落ち着いて狩りができると思うよ。丁度見えてきたあの森だよ。」
栞の言葉通り森が見えてきた、私としては草原の弱いモンスターの方がいいのだけど…。
「あの森は攻略にも関係ないし、手に入るアイテムも良いのがないから人気がすくないの。」
そういいながら森に入っていく栞、私もあとに続き入り、森の入り口付近を散策してるとキノコのモンスターが現れた。
「モンスターでてきたみたいだね、とりあえずシロが倒してみる?」
いつの間にか取り出していた、片手剣と盾を構えながら栞が私にモンスターを倒せといってきた。
いま思えば私武器持ってない…。
「別にいいけど、私武器もってないよ?」
そう言う私に栞は
「まぁ、素手でもダメージ与えられるし<格闘>スキル手に入るから素手で倒してみてよ。」
素手で倒せって、初心者になんて酷なことを...。
そう思っていると向こうからこちらに向かって突進してきた。
私が慌てて避けようとしたところ、栞が盾で守ってくれた。
「やっぱり素手じゃ無理?」
栞の言葉を聞き意を決してモンスターの前に立つ。なんか馬鹿にされたみたいでムカついた。
「私だってそれくらいできるよ。」
そう栞に向かっていいながら、キノコのモンスターに向かって走って行き、ボールを蹴る感覚でキノコめがけておもいっきり蹴りを入れる、見事キノコに蹴りが命中して飛んでくキノコ。
あとを追いかけて行き、キノコが地面に落ちる前に、同じ要領で蹴りを放つ。今度も上手く辺り更に飛んでくキノコ。
しかし、今度は近くの木にぶつかり追い討ちをかける前に地面に落ちてしまった。
同じ様に蹴ろうと、私がキノコに近寄る頃には体制を立て直していた。なんとも打たれ強いキノコだ。
再び最初と同じ要領で蹴りを放つと、今度は横飛びで躱され、ジャンプの突進の反撃を喰らってしまう。よろめき尻もちをついてしまう私。
それを見たキノコが着地と同時に小さく身を縮め素早く身体を元に戻した。すると周りに紫色の胞子が飛び散る。
気にせずそのまま立ち上がるとなにやら、身体の内から嫌な感じがする。さっきの胞子が原因だろうか?
体制を立て直す頃にはキノコは少し私から距離をとっていた。
さっきと同じ要領だと、また反撃を受けかねない、どうしよう…。
そう考えてるとキノコの方から私に向かってきた。私はその場で身を構え攻撃のタイミングを見計らった。
ある程度近づいてくると、最初と同じ様に突進してきた。横に2歩ほど動き突進を躱し、隙だらけのキノコの後ろから蹴りを思いっきり放つ。3度目の蹴りが命中すると、キノコは光の欠片となり砕け散っていった。なんとか倒せたみたいだ。
倒した時、ポーンっと電子音がなった。
「お疲れ、これで<格闘>スキルがゲットできたよ。」
駆け寄ってきた栞の言葉から察するに、さっきの電子音はスキルを手に入れたお知らせだろう。ところでスキルってなんだろう。
「スキルってなに?」
気になって聞いてみたら、栞が色々説明してくれた。
どうやらこのFLOは、行った行動によってスキルが手に入るシステムらしい。
例えば、先程の私のように素手やグローブなどだ格闘だけで敵を倒せば<格闘>スキルが、剣だけで倒せば<剣術>スキルが手に入るらしい。
手に入れたスキルはそのスキルに当てはまった行動で経験値が溜まり、熟練度というものが上がるらしい。熟練度が一定数を越えると、アーツと呼ばれる技を覚えたり、任意で上位変化できるらしい、この上位変化には、スキルポイントというポイントが必要みたいだ。
あと今初めて知ったけどこのゲームにはキャラクターにレベルは存在しないみたいだ。
パワーやスピードなどのパラメーターは戦闘や訓練などで少しづつ上昇していくらしい。
魔法系やパッシブ系スキル、補助系スキルなどはスキルショップで買えるらいしい。
説明を聞いたのちも、私をメインに戦闘を繰り返していった。
何度めかの戦闘が終わると、栞が声をかけてきた。
「そろそろオープニングイベント始まるし、街に戻ろうか。」
なにやらイベントが始まるらしい、その前に必要となりそうなスキルやアイテムを買っておこうと言うことだ。
普通は街を出る前に買い備えるらしいのだけど、今回は栞がβテストの引き継ぎで習得していたから後回しにしたようだ。
街に戻りとりあえず栞が勧めてくれた
<探索> <肉体強化> <鑑定>の3つと回復系のアイテムを幾つか買い揃えた。
あとは栞の案内で街の見学をした。
今更だけど、この街は<ファスト>という名前らしい。
街をブラブラしていると、突然最初にいた噴水広場に転移させらた。
そこには私たちだけではなく、恐らくいまログインしているプレイヤー全員が集められていた。
栞が言っていたオープニングイベントが始まるのだろう。
転移させられてから数分後、ファンファーレと共に空中にハロウィンのカボチャにトンガリ帽子に魔女などか来てそうな黒のローブをきたキャラクターが現れた。
「やぁやぁ、皆々様初めまして。私、ジャックっと言う運営公式キャラクターです。突然ですが現時刻をもって、皆々様からログアウト機能を消去させていただきました。これは使用でありバグでございません。」
やけに軽いニヤリと微笑みながらサラリととんでもない事を言いました。
「次に皆々様が現実世界に戻る時は、このゲームがクリアされてからでしょう。」
ジャックが話を続けてるが周りはそれどころではない、ログアウトできない事実に苦情や文句などが飛び交っていた。
「それに伴いまして、皆々様から運営への連絡手段全ても消去させていただきました、現在のようにクレームが多発しそうですからね〜。」
ニタニタと笑いながらクレームを無視し続ける。
「以上をもちまして、オープニングイベントは終了です。最後に皆々様のアイテムストレージにこれからの冒険のお役にたてる、各種族の専用武器と1万コル、そして幾つかのアイテムを贈与いたしました。それでは皆々様のご健闘をお祈りしております。」
そう言い終わるとジャックは突如姿を消した。
コレって結構ヤバい状況ではないのだろうか…。
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