夢の結果
気がつくと、私たちは、アパートに居た。
「初めに戻る……?」
私がつぶやくと、はっと気づいて周りを見る。
友達が、まだ眠っていた。
その眠っている場所は、神さまのところで描かれていた魔法陣の円と相対位置が同じだった。
「そういえば、アレは」
気付いた私は、そばにあったパソコンで調べ物をした。
調べ中に、もそもそと他の面々が起きてきた。
「成功だよ」
私はブイサインをしてみせた。
「ここでは魔術の迫害が起きてないってこと?」
友達がすぐに聞いてくる。
「そういうこと。ネットの辞書によれば、魔女や魔法使いは、魔術を使うことができるという特異性から、神と対話ができる者として、教会と関わりを持ち、ローマ帝国が国教に指定して以来、教会で補佐役を行い続けている。どのような村にも魔女か魔法使いがいて、共存している。だって」
「じゃあ、成功したんだ」
ホッとしている渡島は、ハタと何かに気づいたようだ。
「そう言えば、何大学に通っていることになっているんだ……」
学生証を見ようと、いつも入れていた定期入れを開けて、渡島は確認をした。
「……手野大学、魔術学部」
「じゃあ、本当に何も変わっていないんだね。魔女たちの迫害がなくなったっていうことだけが、唯一の違いなんだね」
「これらを見る限り、そう考えるのが妥当だろうね」
渡島が私の言葉に反応してくれる。
魔法は成功したのだ。
私たちの望みはかなった。




