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再びの夢
それからしばらくして、また夢を見た。
火炙りになっているのは、また私ではない誰か。
ただ、彼女はなにか楽しげであった。
「火を放て!」
叫んでいる指揮官らしき人は、もはや半狂乱に見える。
彼女はますます高笑いをしていて、何かをつぶやき続ける。
間違いなく、中世魔法語だ。
彼女は私達の仲間なんだ。そう確信した。
「我が恨みは常に晴れず。ただ、死を以てのみ償うべし」
言葉は、それを繰り返していただけだ。
そして、彼女はひときわ大きな爆発を起こし、チリとなり風に乗った。
そこで、私は目が覚めた。
それを、同じ友達に話すと、どうもおかしい雰囲気だ。
「どうしたの」
逆に私が聞いてみる。
「あのね、夢を見たの」
それはよくあることだ。
「それで……」
わずかの間、それはあたかも彼女が明かすべきではない秘密を打ち明けるかのようだった。