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お茶会
「さて、最大の疑問であろう、僕がここに君たちを連れてきたという理由を教えよう」
私たちが立ちあがると、こちらへおいでと招かれる。
いつの間にか、机やいすが並べられている。
さっきまでは無かったはずなのに、違和感がなくしっくりと存在していた。
私たちは、そこに腰を落ち着ける。
「紅茶かコーヒーは?」
「紅茶をお願いします」
「私も……」
私が最初に言うと、他の面々も、みんな紅茶を選択した。
「分かった」
神さまは、にこやかに私たちの目の前で、空中から紅茶を取りだした。
さわやかなアールグレイの香りが、空間を埋め尽くしていく。
「君たちは、過去を変えると言うことをするために、ここにいるんだよね」
紅茶のカップを私たちに渡しながら、念押しのように私たちに聞いてくる。
「はい、それでやってきました」
よいしょっとと神さまが声を出して、椅子に坐ると、私が答えた。
「そうか、では、残念なことを教えなければならないんだ」
「残念なこと?」
神さまは、紅茶を一口飲み、私たちに言った。
「君たちの時空線上で、過去を変えると言うことは不可能だ」