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神さま
「神さま?」
彼に私は話しかける。
一番最初に彼に気付いたのは、どうやら私のようだ。
声に気付いたようで、友達も青年の方へ振り向く。
「みなさん、おそろいだね。よかったよかった。たまに別次元へ吸収される人もいるから、今回はそうならなくてよかった」
恐ろしい響きの言葉が聞こえてきたが、私はそこには注目しなかった。
注目するべきは、神さまという存在が、なぜ私たちをここに呼んだか、ということだ。
「それが一番の疑問かい」
もはや何でもお見通しという雰囲気で、青年は言った。
「じゃあ、着いておいで」
青年が、私たちを誘って、この真っ白の空間を歩き出す。
他に行くこともできない私たちは、青年についていくしかなかった。