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正体?
テスト期間終了の当日、私は友達の家に、友達と伊洛と見知らぬ男といた。
「この人、私のパートナーの獏。渡島よ」
「どうぞよろしく」
ペコリとお辞儀をする彼は、どこにでもいそうな青年だった。
「獏ということは、因果律に作用できるってこと…?」
「そう。でも、禁忌だからねぇ」
「一度因果律に作用してしまうと、それ以降は元から作用したものとして扱われるから、誰も気づかないんだけどね」
「超越次元の魔女って、獏の力を持っていたのかも……」
私は友達につぶやいた。
でも、そうだとすると、歴史を書き直すはずだから、彼女の話も無くなっていてもおかしくない。
そのことを渡島に聞いてみた。