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幼馴染の夢
伊洛は、私の幼馴染だ。
栄養学部は第2キャンパスである綴喜キャンパスというところにあり、私たちがいる魔術関係と広大な敷地がいる農学部は、第3キャンパスの勇王キャンパスというところにある。
だから、普通ならばこのキャンパスに来ることはないはずだ。
「どうしたの」
「んー?急に会いたくなってねぇ」
伊洛が言うには、どうやら私がでてくる夢を見たそうだ。
「……それも、二人が遠くに行っちゃう夢をね」
「で、わざわざ会いに来たってこと?」
このあたりの行動力はすごいと思う。
バスは片道20分かかり、山をひとつ越える必要があるキャンパスだ。
それでも伊洛はそのためだけに会いに来たと言っている。
そのことを言い終わると、残っていた飲み物を、私たちは一気に飲み干した。