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龍王様の半身  作者: 紫月 咲
第1部 帰還と邂逅と運命と
1/80

プロローグ 〜龍の涙と欠けた心〜





降り注ぐ大雨。

巻き起こる風は、その雨を巻き込み大嵐となって、森に、大地に、人々に、まるで抑えきれない何かをぶつけるように、向かっていく。

森は木々を揺らしながらギシギシと耳障りな音を立て、大地では実りの少ない作物がその大嵐に耐えながら、そして人々は家の窓から、建物の軒先から、往来の中から、不安そうに時折空を見上げている。


鳴り響く雷鳴(らいめい)

大空を覆う雲が闇のように、そびえ立つ巨大な城を覆う。




輝ける白亜の城。

人々が敬い、讃えるその城も、今はくすんでしまったように、輝きを失っていた。






その城の、最も奥。

限られた者しか入ることを(ゆる)されない、居室に。

今日も、咆哮(ほうこう)が響く。



どこまでも悲しく。

どこまでも苦しく。


何かを請い願うような、尊き小さな龍の咆哮。




そして今日もまた同じように、その居室を訪れる人影。






「王よ、どうかもうこれ以上悲しまないで下さい。苦しまないで下さい。貴方の心が、これ以上死んでしまう前に…!」


跪き、苦悶の表情で自分を見つめるその人影に、王がその瞳を向けることはない。



王と敬われる小さな龍には、誰の言葉も届かない。

誰の感情も響かない。



それは、彼が求める者の言葉でも、想いでもないのだから。








「何処に行ってしまったの…。僕と一緒に生まれた筈なのに、僕達は2人で1つなのに…」

「王…」





「どうして、どうしてどうしてどうしてっ!!」


繰り返される問い。

繰り返される声。


悲しみ、苦しみ、絶望。

負の感情すべてを纏ったその叫びは、その居室の壁に、天井に、吸い込まれ、消えていく。




まるで、叶うことなどないのだと、思い知らせるように。













「会いたい、僕の『半身』…」


2つの宝石から、一滴、涙が落ちた。







見切り発車満点ですが、とりあえずご都合主義で参ります。

初っ端からシリアスですみません…!

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