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◇第7話◇ 秘密
今度は完璧に口角が上がった。
「なんで?」
「…興味がある…から?」
「ふーん」
するとアイツは壁に寄っ掛かる。
「俺に興味があるんだ?」
私はただ、こくこく頷いた。
「あっそう」
アイツはそれだけ言って去っていく。
「待って!」
「…まだ何か?」
「あの、さ…いつもここにいるの?」
「そうだけど何?」
アイツの秘密、ひとつゲット。
「話はそれだけ?」
「う…ん」
するとアイツはすぐに去っていった
今度は呼び止めなかった。
他に話しかけるきっかけがなかったから。